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津市(このまち)で輝く Vol.92

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三重県津市

《400年の歴史を紡ぐ伝統芸能の若き担い手》
子ども唐人(唐人踊りを継ぐ会)
細川 祭(Matsuri Hosokawa)(11)

◇にぎやかでユーモラス 観衆の胸高鳴る唐人踊り
12年前の津まつり当日、祭さんは生まれた。“唐人踊り”のお囃子(はやし)を聞きながら陣痛を感じたというお母さんは、「祭のように楽しく元気に育ってほしい」と、その名に願いを込めた。
唐人踊りは、江戸時代の朝鮮通信使をまねた郷土芸能。美麗な衣装をまとい、喜怒哀楽を表す面をつけた一団が、鉦(かね)や太鼓の囃子で踊りながら街を練り歩く。その姿は民衆の胸を高鳴らせ、津まつりの花形として寛永13(1636)年から受け継がれる。
祭さんは5歳で唐人踊りを始めた。「最初はお面をつけると前が見えず、衣装だけで踊っていました。初めて自分用のお面をもらった時は嬉しかった」と、歯が2本、ひげがついたユーモラスな面を手に記憶をたどる。5年生の頃、継続を悩んだ時期もあった。「唐人踊りが残るのは、全国3カ所だけ。一度空襲で装束が消失したけれど、分部町唐人踊保存会の皆さんが復元したと聞きました。それほど、津で愛されてきたのだと思う」。伝統を継ぐ大人たちの思いに応えたいと、納得できるまでやり切ることを決意した。
唐人踊りを始めて8年。小さい頃は苦戦した、腰を低く落とす独特な演舞も、今では得意なポーズだ。若き担い手による小学生最後の集大成を、今年の津まつりでご覧あれ。

・ソフトボールのポジションはファースト
・津まつり最大の楽しみは唐人踊り〈いちごあめ

PROFILE
2012年10月8日生まれ。4人きょうだいの末っ子。3つ上の姉の影響で三重県無形民俗文化財「唐人踊り」を始め、2週間に一度、養正小学校体育館で練習に励む(仲間を募集中!)。好きなことはソフトボールとゲーム「妖怪ウォッチ」。

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