■なるべく「何もしない」をして過ごす日々
太田浩輔(有馬町)
220人目のペンリレー
「一番好きな絵本は何ですか?」ともし誰かに聞かれたら、あなたなら何と答えますか?僕は間違いなく「ぐるんぱのようちえん」と答えるでしょう。それからきっと、聞かれてもいないのに嬉々としてそのあらすじを話し始めるかもしれません。例えばこんな風に。
ひとりぼっちの大きなゾウ・ぐるんぱは色々な仕事場で一生懸命に働くものの、作るものが大きすぎて毎回失敗だらけ。そんなぐるんぱがひょんなことから子どもたちの世話を頼まれることとなり…
ぐるんぱのひたむきな姿を見ていたく感動した幼き日の僕は「大きくなったらぐるんぱになりたい」とよく夢に見たものでした。それから時は流れ―。
「進路はどうする?」担任からのその問いに、18歳の僕が出した答えは「バンド活動」でした。かつてぐるんぱを夢見た少年は、あろうことか頭くるりんぱとなってしまっていたのでした。
そんなこんなで二十代はバンド活動→ニート→自己探し→独立と瞬く間に過ぎていきました。独立後は家で一人パソコンとにらめっこする日々が続き、さすがに人恋しくなったのでパソコン・スマホ教室を開くことに。が、いつの間にやら近所のおば…お姉さま方の憩いの場と化していました。
コロナ禍で閉店したのを機に、都会に唯一無いものを求め移住を決意。そして2023年3月、横浜市からここ熊野市へと移住して参りました。移住後は小説や移住ブログを書きつつ、近所の畑で自然栽培をしつつ、たまに仕事をしつつ、小欲知足安分に沿った暮らしを楽しんでいます。
次は井戸町の田端俊介さんです。
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