会場入り口にひときわ目立って村正・永貞の看板!65年ぶりに三重県総合博物館で『刀剣』をテーマに開かれた企画展、町所有〝田丸打ち〞「永貞・永利・正吉」を初めて出展しました。冒頭学芸員から「この刃剣は北の村正、南の永貞がメインです、永貞らの作刃はいずれも作風、丁寧な仕上げが素晴らしい、特に茎(なかご)(柄に納まっている部分)の銘は鏨(たがね)で掘っている、まるで毛筆で書いた草書のような字体であり、刀の反り刃文などの出来栄えは見事」と高評価の説明に驚きました。玉鋼から鍛錬など多くの工程を経て刀になっていく過程は相当の時間と苦労を必要とします。優れた刀工が存在していたことを再認識し、超一級の文化財が関係者のご尽力で保存されてきたことに感謝申し上げます。
もう一つは、擬革紙※の復興です。江戸時代、参宮みやげとして人気を集め、1887年パリ万博で金賞を受賞しましたが、昭和初期には製造技術も途絶えました。しかし、15年前の平成21年に保存会を結成、当時の製品から技術を分析し復元に成功し、平成26年には三重県指定伝統工芸品に認定されました。9月27日、町での記念展には若手アーティストの斬新な作品が創作されるまでになっています。
刀剣、擬革紙など世界が認める日本の精巧な美術品の存在をより多くの方に知っていただき、次世代に伝承していくのは私たちの使命であると思っています。
※擬革紙とは…革になぞらえた紙のこと。
10月11日町長室にて 辻村修一
※「辻村」の「辻」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
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