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ペンリレー No.219

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三重県紀宝町

■藪(やぶ)枯らし役に立とうがなかろうが
福田将志さん(浅里)

タイトルの句は、俳句を始めて最初に詠んだ句です。図鑑の「藪枯らし」の一文を引用すると、「役にも立たず別段の取り柄もなくて、しかもこの草が茂ると藪も樹木も枯れてしまう」とあります。しかし、そんな藪枯らしも秋になれば、小さな可愛い花が咲くのです。役に立つかは人間の価値観で、藪枯らしは藪枯らしである。そう詠んだ句です。
僕は、横浜市鶴見区に生まれ、兵庫県尼崎市で育ちました。光化学スモッグに覆われた工業地帯で成長し、20代、30代は東京で過ごしました。紀南地域に移住したのは40歳の時です。現在、飛雪の滝キャンプ場のそばで暮らしています。
都会の暮らしは、一度歯車が狂うと深い闇から抜け出すのは至難の技、自分が何の役にも立たない人間のように思える日々を悶々と過ごしていたこともありました。
自分が自分でいいんだと割り切れるようになったのは、この町で暮らし始めてからです。「なぜ紀宝町を選んだのですか?」とよく人に聞かれますが、「僕が選んだわけではなく、紀宝町が僕を選んだんです」なんて格好つけて答えています。ここには本物の自然があり、歴史があります。そして僕には役割があります。
仕事は、紀宝町社会福祉協議会でケアマネージャーをしています。誰もが自分らしく最期まで生きられるように支援をするのが、僕の仕事です。また、数年前から紀宝町山歩き部会の世話人として、月に一回、近隣の山を歩いています。参加者も増え、仲間の輪はどんどん広がっているのが楽しくて仕方がありません。
さらに、妻の事業の「くまの里山体験のら」の体験や沢カフェで、手作りおやつを提供するのも僕の役割です。かぼちゃのプリンや、季節の果実のタルトケーキ、ドクダミやゴンパチを使った野草スイーツなどを作っています。インスタグラムで「#野草スイーツ」や「#妻は試食係」と検索していただければ、見られますので興味のある方は検索してみてください。

◇PROFILE
ふくだ まさしさん
さまざまな活動をされている福田さん。「これからの人生は超多忙なスローライフを楽しむことです。」と話していました。

◎6月号は鮒田の米中(よねなか)宏志(こうじ)さんです。福田さんからは、「YouTube“よねの田舎を満喫ch”を毎回楽しんでいます。これからも紀宝町の魅力を発信し続けてね。」

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