文字サイズ
自治体の皆さまへ

ペンリレー No.221

29/37

三重県紀宝町

■紀宝町で宝さがし
森下 香苗さん(平尾井)

私たち夫婦が以前住んでいた名古屋市中川区の市営住宅は、全4棟の268世帯が暮らしていました。そこで主人は33年間自治会長を務め、私も16年間民生委員としてみなさんと活動していましたが、振り返ってみると、多くの方に支えられていたと改めて実感しました。
この町に移住したきっかけは、1年10か月前に46歳の長女をがんで亡くしたことです。娘は小学校で特別支援学級の先生として抗がん剤治療を受けながら、最後まで子どもたちと懸命に過ごしました。何事にもコツコツと努力するがんばる娘は、私の宝物でした。二女も大好きな姉を亡くし、辛く悲しい中で自身も離婚し、「今の環境を変えるため田舎へ行きたい」と移住を考えていたとき、紀宝町の移住キャンペーンが目に留まり「紀宝は宝って書くんだよ」、「そうだね宝だね」と新たな希望を持って移住を決めました。
早速役場の方と連絡を取り、何度か現地に伺い空き家バンクで、家族5人の条件に合ったお家を探していただき、無事昨年の8月20日に引っ越してきました。
この町は、自然豊かで夜空には満天の星空が輝き感動しました。片付けに追われる中、差し入れでいただいたおいしい肉じゃがは、お腹も心も満腹にしてくれました。ある日地域の方から「よく引っ越してきてくれた」と箱一杯の柿をいただきびっくりしました。ご近所からは新鮮な野菜もいただき、本当に田舎の方の温かさを実感しました。9月には小学校で合同運動会が行われ、一生懸命演技する子どもたちに感動しました。また、十五夜の「たばらして」とくる子どもたちのほのぼのとした姿にいやされました。そして素晴らしい出会いがあった移住者交流会、地域のふれあいサロンでは、楽しいプログラムで、笑顔あふれる交流となりました。
この町にきて、今までにも沢山の宝を見つけました。これからも地域のために自分らしく貢献でき自身の心の宝を積んでいける感謝の人生でありたいと思います。

◇PROFILE
もりした かなえさん
約10か月前に紀宝町へ移住された森下さん。「心温まるこの町で、これからも生きていきたい。」と話していました。

◎7月号は鵜殿の東(ひがし)主(まもる)さんです。森下さんからは、「これからも気さくな御夫婦のギターと歌声を地域のみなさんの心に届けてください。」

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU