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[特集]救いの手 動物たちと生きる道(2)

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三重県菰野町

◆ボランティアの苦労と努力
保健所やあすまいるで収容できない犬や猫などを預かり、新たな飼い主へと譲渡する。犬や猫にとって救世主ともいえるボランティアの存在が菰野町内にもあり、譲渡会などを通じて犬猫の新たな生活がスタートできるよう途切れのない活動を続けています。
ボランティアの皆さんは常時、複数の犬や猫を預かり、保健所などと協力して1頭1頭、丁寧に対応していただいていますが、複数の犬や猫の世話をし続けることは想像以上に大変です。
犬は大きさにもよりますが、毎日、朝夕の散歩が必要で収容するにもある程度広いスペースが必要です。保護された犬は吠えたり噛んだりすることはもちろん、物を壊してしまう破壊衝動があったりすることもあり、犬によって性格もさまざまでその世話をすることは一筋縄ではいきません。一方、猫は犬に比べて散歩などの必要がないものの、収容するには一定のスペースが必要で、上り下りして上下運動ができるキャットタワーが必要であるなど、飼育環境の整備が欠かせません。また、犬も猫も感染症の心配や個体同士の相性などもあるため、むやみに犬同士、猫同士を共生させられない部分もあります。
譲渡のために犬猫を保護し、収容するという行為には、ボランティアという言葉では言い表せない日々の苦労と努力があります。

◆譲渡にいたるまでの過程
苦労が絶えない世話の連続ですが、どのボランティアの皆さんも引き取り手が現れたところで「はい、どうぞ」と易々と犬や猫を譲渡するようなことはありません。引き取り手と譲渡される犬猫とがしっかりと触れ合える時間を設け、お互いの相性を見極めています。その上で引き取りたいという意向があれば、実際に飼育する引き取り手の自宅を訪問し、飼育環境に問題がないか、家族構成はどうなっているかなどを細かくチェックします。場合によっては、それらのチェックの上で引き取りをお断りすることもあるといいます。その後、犬猫を実際にお試しで引き取り手のもとへ預ける1~2週間のトライアル期間を経て、そこでお互いが合意すれば正式譲渡にいたります。
見方によっては面倒だと思われるこのような譲渡のための過程も、全ては引き取られていく犬や猫のためを思って行っています。時には、譲渡後に犬や猫が引き取り手から逃げ出して事故に遭ったり、思っていたような飼い方ができず引き取り手から返還の申し出があることもあります。せっかく譲渡先が決まった後にこのような結果となってしまった犬猫は、また辛い過去を背負って新たな引き取り手を待ち望みながら生きていくことになります。そうならないためにもボランティアの皆さんは日々、動物たちと接し、たくさんの手間を惜しまず引き取り手となる皆さんと対話を重ねながら向き合っています。

◇保護犬との暮らし
市川陽大(いちかわはるひろ)さん&チビちゃん
小さいころから犬とともに生活しているため、犬がいない生活が考えられません。この子は兄弟で迎え入れ、出会って8年になります。食い意地は張っていますが、いたずらもせず甘えてくるかわいい子です

◇保護猫との暮らし
福田朋久(ふくたともひさ)さんandサンゴちゃん
子どもの手がかからなくなったタイミングで仕事場で産み落とされた子猫に出会いました。保護猫を現在は4匹飼っていますが、本当に癒されています。いつまでも手がかかる子どものようでかわいいです。

※詳細は本紙P.4~5をご覧ください。

◆Pet Sheltter 01
オアシスの会 里親会
住所:菰野町杉谷2323(ポニーの森 尾高)
開催日:毎月第3日曜日 10:00~13:00
【電話】090-9125-8973

〈INTERVIEW〉
動物愛護ボランティア オアシスの会
会長 加藤弘子(かとうひろこ)さん

最初に出会った3頭の犬をきっかけに現在の活動をはじめ、最低でも1,000頭は助けようと続けてきた活動は18年を迎えました。朝から晩まで犬猫のことばかり考え、趣味も捨て、自分でも犬猫好きという感情を超えてしまっていると思いますが、殺処分や苦しんでいる犬猫がいると思うと今でも夜も眠れなくなります。周囲のボランティアに支えられながら、この活動を続けていきたいと思います。

◆Pet Sheltter 02
動物保護団体 Dep
住所:菰野町潤田811-2
【電話】090-4447-4671
※譲渡などの相談は要問い合わせ

〈INTERVIEW〉
動物保護団体 Dep(ディプ)代表
堀口美香(ほりぐちみか)さん

現在はインターネットを通じての猫の譲渡などを中心に活動しています。これまで7年間の活動で毎日、掃除と世話の連続で体力勝負の日々を送っています。飼い主との相性を見極めることは難しいですが、犬猫たちにとって譲渡先が決まらないことが一番悲しく、新しい家族にかわいがってもらえることが一番の幸せだと思うので、多くの犬猫たちがそうなれるよう活動を続けています。

◆Pet Sheltter 03
保護猫かふぇ またたび庵
住所:菰野町菰野8475-75
開館時間:11:00~17:30
【電話】392-2828

〈INTERVIEW〉
保護猫かふぇ またたび庵
代表 坂倉雅子(さかくらまさこ)さん

最初は保健所の犬猫を助けようという気持ちはありませんでしたが、SNSなどで殺されていく動物たちの現状を知って現在のお店を開業しました。お店には18~20匹の猫がおり、保護猫と触れ合い気に入れば譲渡できますが、引き取り手の家族構成や飼育環境は必ず確認させてもらっています。人も犬も猫も命としては一緒なので大切な家族として動物を迎え入れていってほしいと思います。

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