■水車利用の苦労と衰退
手回しの土臼で籾すりを行っていた頃に比べ、水車の動力を活用するようになってからは、籾すりの効率も上がるようになりました。しかし、家から水車小屋まで籾を運び、擦り上げた玄米と籾殻を次の番に引き継ぐまでに引き取る必要がありました。また、玄米は一俵を四臼に分けて磨砂とわらの輪を入れてつく必要があり、時間は翌朝までかかるため、大変な労力が必要でした。機械でつくよりも水車で時間をかけてつく方がおいしかった側面はあったようですが、水路が必要で出水にも弱く、水車の耐久性、効率性の観点からも水車は昭和30年以降、モーターと精米機の普及により急速に姿を消していきました。
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