■パールの固定観念
日本において、真珠は女性が冠婚葬祭などの場で身につけるイメージがあります。しかし、最近ファッションの一つとして、男性がカジュアルに真珠を身につける「メンズパール」が流行しています。
真珠は天然で産出されるのが珍しく、富や名誉の象徴として人々を魅了してきた歴史があります。1893年、御木本幸吉が世界で初めて半円真珠の養殖に成功しました。「自分が作った真珠で世界中の女性を美しくかざりたい」という夢の実現を目指し、養殖真珠の美しさを世界に広めていき、真珠は次第に手が届きやすいものとなっていきました。
真珠に冠婚葬祭のイメージが定着した理由は諸説ありますが、1965年にイギリス女王であるエリザベス2世が、ウィンストン・チャーチル元英国首相の国葬で真珠を身にまとい参列したことが、きっかけの一つと考えられています。
「女性」「冠婚葬祭」の印象が強い真珠ですが、最近はジェンダーレスファッションとして注目されています。Tシャツやデニムなどカジュアルな服装をした男性が真珠を身につける「メンズパール」は、海外や日本の芸能人の真珠着用画像がインターネット上やファッション雑誌に掲載されて、広まっています。
メンズパール以外のジェンダーレスファッションとして、男性の着こなしの中にスカートやレースを取り入れる、女性の着こなしの中にライダースアイテムやアウトドアアイテムを合わせるなどがあります。男女の区別や固定観念にとらわれず、自分が着たいものを自由に身につけることで、より自分らしいファッションを楽しめるのです。
問合せ:市民課人権・市民交流係
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