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中村欣一郎市長の山椒(さんしょう)は小粒(こつぶ)でも…Vol.81

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三重県鳥羽市

■その常識、ホント?
今年は格段に長く暑い夏でした。
「地球が沸騰している」という表現もあながち大げさではありませんでした。このまま秋がなく冬が来るのか、秋が冬に書きかわり冬そのものがなくなってしまう予感すらあります。
天気予報では、熱中症に備えて「こまめに水分補給を」と繰り返されました。この言葉を聞くたびに思い出すことがあります。中学の頃のクラブ活動です。
当時「練習中は水を飲むな」というのが常識でした。それは私の所属していた軟式テニス部だけの話ではありません。一緒にグラウンドで練習していた野球、ソフトボール、陸上などすべての部活動がそうでした。加茂中学校グラウンドの横を鳥羽河内川が流れています。柵の外へボールが出ていくと、それを追いかけてこれ幸いと川へ入り、ついでに川の水を飲む子もいました(私はしていませんが)。そうした我慢もあって、練習後に飲む水道水のおいしかったこと、蛇口脇にあった安っぽいアルマイトのカップと、そのまた安っぽいカランという音が懐かしく思い出されます。
それはさておき、いったいあの我慢は何だったんだろうか、と思います。平安時代や鎌倉時代のことならいざ知らず、わずか五十数年前のことです。人類が月へも行って帰ってきた後のことです。「人類の進歩と調和」というテーマで70年大阪万博も開催されたころの話です。『巨人の星』や『サインはV!』『柔道一直線』などのど根性をテーマにしたスポーツ漫画やドラマが流行っていたことも重なります。まだ身体が出来ていない年齢にも関わらず、せっせとうさぎ跳びもしました。肩を冷やすからと野球部は泳ぐことも我慢しました。
少し昔のノスタルジーに浸ってしまった感もありますが、今回書きたかったのは、今の時代もこんな間違ったことをしていないだろうかという心配です。単なるきびしい練習ならまだしも、子どもたちの将来をダメにするトレーニングや、命すら落としかねないとなると大変です。
スポーツのトレーニングを例にお話ししましたが、別の分野でも顧客へのサービス、各種ハラスメント、働き方など、自分だけは絶対に間違いないと思っている人が一番危ういかもしれません。私も気をつけていきたいと思います。

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