■そのとき、あなたは、何を着てた?
青の長袖ニットにデニム素材のズボン。白の半袖シャツに紺色の制服スカート。黄色の半袖カットソーに黒のショートパンツ。ピンクの子ども用パジャマ…ごく普通の、ありふれた服装に思える衣服。これらは、2023年に上智大学で開催された、性暴力被害と服装について考える企画「そのとき、あなたは、何を着てた?~What Were You Wearing?~」で展示された服装で、18歳から50代の20名の証言をもとに、性暴力被害時の着衣を古着で再現したものです。
このプロジェクトは、アメリカの倫理学者であるメリー・シマリングの、性暴力被害にあった自身の体験をもとにした「What I was wearing(私が着ていたもの)」という詩に着想を得てはじまりました。性暴力被害にあった時の着衣のイメージに近い服装を再現して展示することで、『性暴力被害に遭うのは服装が原因である』という先入観を取り払い、『あなたが何を着ていようと関係ない、被害にあったあなたは悪くない』というメッセージを発信することを目的としています。
2014年にアメリカのアーカンソー大学で初めて展示が開催され、その動きは全米の大学やヨーロッパ、アジアなどに広がっています。2022年にはニューヨークの国連本部でも開催され、軍服、手術着、男性の普段着、幼児の水着などが展示されました。
『被害者に原因や落ち度がある』『被害にあったら自己責任だ』という周囲の反応は、被害者を二次被害の苦しみに突き落とします。被害者の服装や行動は、性暴力を正当化する理由にはならないのです。
11月25日から12月1日は「犯罪被害者週間」です。周囲の無理解や心ない言動は、被害者を追いつめてしまいます。周りの人々の理解と配慮、協力が大切なのです。
問合せ:市民課人権・市民交流係
【電話】25-1126
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