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鳥羽・海藻文化革命 岩尾博士の海藻博物記vol.37

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三重県鳥羽市

~植生調査の話~
市水産研究所では海藻の植生調査を行っている。どこにいつ頃どんな海藻が生えているのかを調べるのだが、答志島でも東と西、北と南で生えている海藻の種類や割合が違うし、石鏡と相差でもやはり違う。極端に増減していないか、ウニや藻食性魚類はどうかなどと合わせて、潜水や磯歩きで調べることを植生調査という。調査者の人数的都合で鳥羽市海域全域、くまなく、毎月とはいかないが、答志島の大築海島、小浜、坂手島、菅島、石鏡や国崎、相差などの一部海域に限られるが定期的に調査している。また、合わせて被度調査も行っている。ある海域に巻き尺などで50~100mのラインを引っ張り、5~10m間隔で1m方形枠をおいて、その枠内の海藻の大きさ、枠のどのくらいの割合を覆っているのかを調べ、その海域のおおよその海藻群落の面積の目安にする調査である。最近は鳥羽商船高等専門学校、KDDI、KDDI総合研究所、三重大学、三重県と共同で小型船などに取り付けた水中カメラで海底画像データを取得し、3Dマップ作成および藻場面積と二酸化炭素貯留量の算出までができるような研究も行っている。
これらの調査を実施したからと言って、水揚げ量が増えることも、沿岸の生物資源の保全ができるわけでもない。しかし、それらへの対策を計画、検討するときに必要になる。また、鳥羽は自然資源の豊かさが人を惹きつける観光都市であるので、その豊かさがどのようなものなのかを知る意義は大きい。鳥羽で暮らす人以外の生き物の様子を知ることも大切なことだと思う。

問合せ:水産研究所
【電話】25-3316

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