■小さなポケット
今年の1月、東京の羽田空港で、日本航空と海上保安庁の航空機衝突事故が発生しました。日本航空機の乗客367名と乗員12名は、緊急脱出用のシューターを使い、衝突から18分で全員が脱出しました。
事故が報道される中で、衣服のポケットに貴重品を入れ脱出できたケースが話題となりました。緊急脱出用シューターを使用する際は、手荷物を持たず脱出する必要があります。引っかかって首が絞まると危険なので、ポシェットやショルダーバッグなどを持ち出すことはできません。衣服のポケットの中に物がしっかりと納まっている必要があり、脱出中の物の落下や、シューターを傷つけることがあってはならないのです。
その際注目されたのが、女性用衣服のポケットに対する意見でした。デザインやシルエットが崩れる、衣服の素材や構造上ポケットを付けにくいなどの理由から、女性用衣服のポケットがない、あってもサイズが小さく深さが足りない、ポケットの見た目だけで収納ができない『フェイクポケット』がついている場合があるのです。
「女性用衣服にも大きなポケットがほしい」「男女ともに同じ機能の衣服がほしい」といった声を反映し、大きなポケットを持つスカートや、メンズと同素材を使用し機能性を維持した衣服が登場しています。
日常の中で「普通はこうだよね」「これが当たり前だから仕方ない」と思いがちなところを「こうだったらいいのにな」「こんな風にはできないのかな」と考えることが、固定観念を取り払った新しいアイデアやサービスが生まれるきっかけにつながっているのです。
問合せ:市民課人権・市民交流係
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