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人権文化の花を咲かせよう Vol.231

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三重県鳥羽市

■原爆の父

今年3月、映画「オッペンハイマー」が日本で劇場公開されました。原子爆弾開発プロジェクトの責任者だった、ロバート・オッペンハイマーの半生を描いた作品です。
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツが先んじて原子爆弾開発を行うことをおそれたアメリカ、イギリス、カナダは、原子爆弾開発・製造のために科学者・技術者を総動員しました。この計画は「マンハッタン計画」と命名され、原子爆弾開発のため、ニューメキシコ州ロスアラモスに研究所が創設されました。物理学者であるオッペンハイマーはこの研究所の所長に就任し、原子爆弾開発チームを率いて研究を行いました。
1945年7月、開発された原子爆弾を用いて、世界初の核実験が行われました。同年8月、ロスアラモス研究所で作られた原子爆弾が、広島と長崎に投下されています。オッペンハイマーは原子爆弾の開発に成功し、「原爆の父」として賞賛を浴びることになります。
第二次世界大戦が終わり冷戦時代に突入すると、アメリカを中心とする陣営とソビエト連邦を中心とする陣営との間で対立が深まりました。核兵器開発競争が激しくなり、両陣営が原子爆弾を超える威力を持つ水素爆弾の開発を急ぐ中、水素爆弾開発に反対したオッペンハイマーに対してスパイ疑惑が持ち上がります。オッペンハイマーは国家機密に関与する資格を奪われ、公職を追放されることとなりました。
政治家、科学者、技術者など、多くの人が原子爆弾に関わっていました。原子爆弾の開発から使用に至るまでの間、勝利や戦争終結のため、政治目的のため、科学研究のためなど、さまざまな思惑が交錯していたのです。
戦争や核兵器使用について、一人ひとりが向き合い考えていくことが、平和につながる一歩になるのではないでしょうか。

問合せ:市民課人権・市民交流係
【電話】25-1126

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