■ノーベル平和賞
2024年12月、ノルウェーの首都オスロで、ノーベル平和賞の授与が行われました。受賞したのは、被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてきた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)です。
ノーベル賞は、スウェーデンの発明家アルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて1901年からはじまった、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の各分野で「人類に最大の貢献をもたらした人々」に贈られる賞です。経済学分野が後に追加され、今では6つの賞があります。
アルフレッド・ノーベルは、30代の時にダイナマイトを発明しました。石炭の採掘が容易になることや、工事の大幅な短縮が望めることから、ダイナマイトの注文は世界中から寄せられ、ノーベルは巨万の富を築きました。ノーベルの一連の発明や技術開発は、軍事技術へも大きな影響を与えました。ノーベル賞の賞金は、ノーベルの遺産を原資とした運用益で賄われています。
ノーベルは遺言に「賞を与えるにあたっては、候補者の国籍は一切考慮されてはならず、最もふさわしい人が受賞しなければならない」と記しており、世界で初めての「国際賞」となっています。外国人に賞を与えることが考えられなかった当時としては、先進的で画期的な考え方でした。
今回ノーベル平和賞を受賞した日本被団協は、広島・長崎への原爆投下から11年後の1956年、被爆者らが結成した団体です。核兵器廃絶の実現と被爆者の法的な援護拡大を訴え、国内外で被爆体験の証言や署名運動などを行っています。日本人のノーベル平和賞受賞は「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という「非核三原則」を訴えた1974年の佐藤栄作元首相以来で、50年ぶりの受賞となります。今回の受賞で、核兵器のない世界を実現するための日本被団協の努力が認められたのです。
問合せ:市民課人権・市民交流係
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