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自治体の皆さまへ

やさしい健康講座 第177回

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京都府亀岡市

市民の皆さんの健康に関して、今回は亀岡市立病院の診療部長兼内科主任部長が、専門分野についてお話します。

亀岡市立病院 診療部長兼内科主任部長 松尾龍平(まつお りょうへい)
専門分野:総合内科専門医

◆新しい心不全治療薬
社会の超高齢化を背景に、心不全患者さんが増加しています。心不全を治療するための薬は、20年ぐらいの間、新しい薬がありませんでした。しかし最近になり、作用の異なる新しい心不全薬が4種類、使用できるようになりました。簡単に紹介させていただきます。
(1)一つは、心拍数を減少させる薬で、心収縮力や血圧には影響を与えずに純粋に心拍数のみを低下させます。心電図が洞調律で安静時の心拍数が75回/分以上の方が対象になります。心房細動など脈の乱れた方には使用できません。
(2)次に、心不全ホルモンの分解阻害薬と従来薬を合剤にしたものがあります。これはヒトの体内で、心不全を改善しようと分泌されるホルモンの働きを活用しようというものです。海外でこれまでの薬を上回る有効性が確認され、いま国内では従来治療で効果が不十分と判断される場合に、切り替える形で使用が広がっています。
(3)元は、糖尿病治療薬として発売された薬ですが、心不全に効果があることがわかってきました。心不全に対する詳細な作用機序は分からないのですが、投与することで予後を改善するとされています。
(4)さらに、心臓や血管の細胞機能に不可欠な情報伝達物質(cGMP)を活性化する薬もでました。心不全治療を受けていたにもかかわらず心不全が悪化して入院された場合に使用されることがあります。

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