市民の皆さんの健康に関して、今回は亀岡市立病院の副院長が、専門分野についてお話します。
亀岡市立病院副院長 久保 恭臣(くぼ やすおみ)
専門分野:関節外科
◆膝関節の痛みについて
膝関節は大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)の膝蓋骨(しつがいこつ)からなる、内側、外側大腿脛骨関節、膝蓋大腿関節の3つの関節で構成されています。この3つの関節が一つの構成体として機能し膝関節の動きが生じます。丸い大腿骨と平らな脛骨から構成される不安定な形状の組み合わせを、半月板、靭帯(じんたい)、大腿四頭筋、膝関節屈筋群が協働して安定させるという構造になっています。
膝の痛みの原因には、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチ、結晶性関節炎、骨壊死症、靱帯損傷など様々な病態があります。これらの中で最も多い、変形性膝関節症の国内での患者数は、自覚症状を有する人数で約1000万人、潜在的な患者数(X線診断による)で約3000万人と推定されています。
治療には、保存治療と手術治療があります。保存治療は鎮痛薬などによる適切な鎮痛処置を行い、膝関節周囲の筋力が十分に発揮されるような状態とすることで、膝関節を安定化させ、関節軟骨の負荷を軽減し病状が悪化することを防止できます。手術治療には、人工関節手術や骨の形を変える骨切り手術などがあります。
膝の痛みでお困りの人は整形外科を受診していただきたいと思います。
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