市民の皆さんの健康に関して、今回は亀岡市立病院の外科部長が、専門分野についてお話します。
亀岡市立病院 外科部長
井村 健一郎(いむら けんいちろう)
(専門分野) 消化器一般外科、腹腔鏡外科
■ぢのお話
肛門は消化管の最終部位で排便や排ガスを行う役割を担っています。ここではおもに3種類の疾患がおこります。
(1)いぼ痔(内外痔核)(2)切れ痔(裂肛)(3)痔瘻です。今回はいぼ痔についてお話をします。
いぼ痔は肛門部皮下の血管(静脈叢)が拡張した状態です。症状としては腫れ、出血、痛み、脱出などです。治療は外用軟こうや内服による薬物療法、結紮療法、注射による硬化療法、外科的切除があります。程度の軽い場合は薬物療法でよくなりますが、状態に応じて判断が必要となります。また肛門は排便のため安静にしにくい場所で、便秘やそれにまつわるいきみ、硬い便は大敵です。
肛門局所の治療と同時に排便習慣の調整も重要となります。デリケートな場所であり、受診のハードルが高いかもしれませんが、早期解決には早めの受診、診断、治療をお勧めします。また肛門からの出血や便秘がいぼ痔によるものとは限らず大腸癌など腫瘍性病変が隠れていることもあります。心配なことがあれば外科で対応できますので、気軽に相談してください。
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