■竹野・斎宮神社 古代とつながる朱の世界と次世代文化ゾーン
▽2/紙の本
幅允孝(BACH)
地域唯一の神社である竹野神社に代々伝わる書籍と現代の図書を幅氏が選書し、構成した図書スペースを制作。図書が置かれた本棚は、竹野神社に眠っていた古材を組み合わせて作られ、歴史のみならず、料理、宗教、建築、文化などさまざまな入り口から丹後について、丹後と世界とのつながりについて、学ぶことができる。
▽3/A Little Prayer-樹のお守り
佐藤聡(ガラス)・新里明士(陶磁器)+田中義久(麻紙)
竹野神社の神域は、古代の自然と人間との関係を想像できる豊かな森林だ。樹木に個性があり、踏みしめる土が足を受け止めてくれる感触がある。古代丹後にあったガラス工房と古墳や土器を作る土師氏と現代の作家をつなぐ、自然への感謝と敬意を表す麻紙チャーム(お守り)を陶磁器とガラスで作った。
▽4/Song for Nature
田中義久
竹野神社参道脇の森には静かに水が流れ、神域の山を背後に多様な植生が緩やかに自然と人間の境界を示している。この地を訪れた田中は、東方の地の麻で織られ、日本の精麻で縫い合わされた紙布を通して境界について思考を巡らせた。スクリーンさながら森に織り込まれた多くの物語を映す紙布は、本殿と拝殿の境界線に手向けられた。
■2023年のテーマは3つ。
かつて丹(辰砂)を生み出してきた地域である丹後の歴史に着目したアート作品、豊かな食材と丹後ちりめんを主とする産業を革新する試み、そして、次世代と共同で取り組む土地に根ざす新たなアートの提案です。
■道の駅てんきてんき丹後 革新する土地の食と産業
▽7/古代とあしたのレストラン
坂本健、吉岡幸宣
京丹後の豊かな海産物を使い、身体にも美味しく地元の新たなソウルフードとなるよう、cenciの坂本健と縄屋の吉岡幸宣がレシピを監修。
▽間人スタジオーリジェネラティブアートー次世代工芸建築 自然の部屋
家は暮らしだして“家になる”という。その土地の風土と手づくりの暮らしの美による居住空間が人間形成に深く関与するのだろう。間人スタジオでは、その土地の風土に適したものを、生活の器を作り出す工芸作家たちが全て一から考え、大きなスケール、建材に挑む試みを続けている。かつて丹後国では、土を扱う職人は器をつくり古墳を手掛けていたといわれ、関わる人が建築と工芸とをつないでいた。現代において日々素材に向き合い、自らの手でものづくりをしている工芸作家たちだからこそ出てくる発想と、次世代の新しい感性が融合することで生まれる、新しい「建築」を目指している。
▽5/佐藤聡(ガラス)
ステンドグラスの手法。水におちる水滴をイメージ。水の中から水の上を見るようなイメージの天窓。
▽6/嘉戸浩(唐紙)
空と海が繋がったような間人の水平線の美しさから着想を得た唐紙が施された部屋。窓からは、すぐ側にある、海と空の情景を望むことができる。
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