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世界に知らしめた「高谷魂」「網野魂」(1)

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京都府京丹後市

世界に知らしめた「高谷魂」「網野魂」
試合の時に出る技は、育った網野で身につけたもの
パリ2024オリンピックレスリング・男子フリースタイル74kg級銀メダリスト
網野町出身・自衛隊体育学校所属
高谷大地 DAICHI TAKATANI

8月9日、パリで一人のアスリートが雄叫びを上げた。レスリング・男子フリースタイル74kg級日本代表の高谷大地(たかたにだいち)選手、その人だ。大地選手はこの日、初のオリンピックで決勝進出をかけ、そして、高谷兄弟悲願のメダル獲得をかけ、世界ランキング1位のカイルダグラス・デイク選手(アメリカ)との準決勝に挑みました。互いが攻めの姿勢で点を取り合う激しい戦い。一歩も引かない大地選手の姿に、会場の皆が称賛し、声援を送りました。「声援に背中を押してもらった」と振り返る大地選手。見事な戦いぶりで、初のオリンピックでメダル獲得を現実のものにしました。
レスリング三兄弟の末っ子の大地選手。これまでは、オリンピック3大会連続出場の次男・惣亮(そうすけ)さんのサポート役として大会に同行し、オリンピックの厳しさを感じてきました。兄から託されたオリンピックでのメダル獲得。立ちはだかる世界の壁。強豪ひしめくフリースタイル74kg級。初出場の地・パリで、大地選手の思いが、努力が、経験が実を結びました。

昨年の世界選手権大会でパリへの切符を手にした大地選手は、他の選手に研究させないため、体づくりに専念するため、大会出場は避けてきました。約1年ぶりの実戦。長男・朋和(ともかず)さん、次男・惣亮さんはアミティ丹後のパブリックビューイング会場で、大地選手の後輩である拓殖大学と丹後緑風高校レスリング部の部員、地元の支援者たちと共に応援。恩師である丹後緑風高校の吉岡治(よしおかおさむ)先生、正田絢子(しょうだあやこ)先生、そして、大地選手が所属する自衛隊体育学校レスリング班の井上謙二(いのうえけんじ)監督は現地で、その雄姿に声援を送りました。

豪快な試合運びで初戦から準決勝までの3試合は〝大地選手らしさ〟が光りました。準決勝後には「兄・惣亮ができなかったタックルに入り続けること、高谷魂、網野魂が発揮できて良かった」と振り返った大地選手。決勝でも攻めの姿勢は崩さない。しかし、一瞬の隙を突かれて相手の締め技が決まる。耐える大地選手。時間だけが過ぎていく。そして、審判がホイッスル、その瞬間、銀メダルが確定しました。試合後のインタビューで「決勝でフォール負けするのも僕らしい」と話した大地選手は、兄弟で追い求めてきたオリンピックでのメダル獲得を実現し、パリでの勇ましい姿で多くの人を魅了した。その多くの人が心から称賛し、ねぎらい、大地選手の銀メダル獲得を「本当によくやった」「おめでとう」そう思ったに違いない。

■努力と繋がりが生んだメダル
自衛隊体育学校レスリング班で大地選手専属コーチを務め、今大会セコンドについた米満達弘(よねみつたつひろ)コーチは「昨年の9月にオリンピック出場が決まり、1年かけ万全の準備ができたことで安心感があった。多くの人に〝楽しんでもらおう。そして、楽しんでいこう〟そういったことを話していました。試合では練習の成果がしっかり出せていた。準決勝のデイク選手との試合でも、アメリカの選手は攻め続けてくる。とにかく6分間攻め続ける。根性比べ。そう話していました。土産(メダル)を持って帰ろうぜって話していたので、勝利が決まった時は嬉しかった。本人も地元にメダルを持って帰りたいという強い思いがあったので、本当に嬉しかったと思う。74kg級は一番メダル獲得が難しいと言われている階級。日本人が簡単に取れるものではない。今回の銀メダルは大地選手の努力の結果。試合内容も良く、会場を盛り上げてくれた。本人も楽しんでいたし、私も楽しかった。メダルも獲得できて良い大会だった」と十分過ぎる結果に大満足。
同レスリング班の井上監督は「大地のことは、網野レスリング教室時代から知っている。もう20年くらいの付き合い。本当に強くなった」と話し、今大会は〝それぞれが繋がった大会〟と表現。「かつて、私がオリンピックでセコンドについた米満コーチと大地の兄・惣亮が協力して、大地がパリで勝てるようアドバイスし、指導を行っていた。それが印象に残っている」と振り返りました。

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