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11月8日はいい歯の日~歯周病予防とオーラルフレイル

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京都府京丹後市

成人の歯を失う原因の第1位は歯周病です。80歳になっても自分の歯で食事ができるよう歯の健康は保ちたいものです。そこで今回、久美浜口腔総合保健センターの園部センター長に「歯の健康を保つため」に大切なことを聞きました。

歯周病は、歯肉や歯周組織に細菌が感染して炎症を繰り返し、放置すると歯を失う病気です。そのため、日頃のケアがとても大切です。
人の口の中には約500種類の細菌がいて、甘い食べ物など砂糖を過剰にとると細菌が粘着物質を作り、歯の表面に付着して歯垢になります。その歯垢には約10億個の細菌がいて、虫歯や歯周病を引き起こす原因となります。歯垢は時間が経つほど硬くなって歯石に変わってしまうため、ブラッシングなどでは除去することが難しく、歯科医院などで「歯石除去」をしてもらう必要があります。
普段の生活の中で歯周病を悪化させる要因となるのが、不規則な食習慣や喫煙、ストレスです。特に喫煙は、タバコに含まれるニコチンが歯肉や歯周組織の正常な代謝を阻害してしまいます。歯周病は全身疾患との関連性が示されていて、歯周病をコントロールすることは、健康を維持するために重要です。例えば、歯周病で歯肉が腫れると細菌が血管内に侵入して、菌に含まれる内毒素が「TNF-α」という物質を産生し、この物質が血糖を下げるインスリンの作用を妨げ、糖尿病治療に影響を及ぼすとされています。また、歯周病菌の刺激により動脈硬化を誘発して血管内に粥(かゆ)状の沈着物を形成し、この沈着物が剥がれて血栓ができると、細い血管が詰まって狭心症や心筋梗塞を発症することもあります。毎食後、適切なブラッシングで歯垢のない清潔な状態を心掛けてください。また、歯石は歯肉で隠れた部分に付着する場合もありますので、定期的に歯科医院などで歯周病のチェックを受けましょう。

最近活舌(かつぜつ)が悪くなった、食べ物をよくこぼす、むせるようになった、などの症状はありませんか。年を取って低下した口腔機能をオーラルフレイルと呼びます。
オーラルフレイルは、食べる量が減ることで栄養が偏ってエネルギー不足となり、筋力や免疫力の低下→身体機能や認知機能の低下→口腔ケアが不十分となり虫歯や歯周病が悪化→かめなくなってさらに栄養が低下、といった悪循環を引き起こしてしまいます。
残った歯の多い人や入れ歯などの義歯(ぎし)で口腔機能が維持できている人は、認知症のリスクが低く姿勢や歩行が安定することなどが明らかになっています。元気で自立した日常生活を送るためにも、歯の健康と機能維持は大切なんですね。

市口腔総合保健センターセンター長 園部純也(そのべじゅんや)医師

日本歯科医師会のホームページでセルフチェックや簡単なトレーニング方法がご覧になれます

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