■周りの人に生かされ、京丹後に生かされている―
鶴龍郎(つるたつろう)さん
久美浜町にあるサツマイモや野菜の苗の生産、京地鶏の養鶏(ようけい)を行う「シーズファーム株式会社」。取締役を務める鶴龍郎さんは大阪府出身です。
「23歳のときに農業に興味を持ち、京丹後に来ました。この会社は、代表の山野と一緒に5年前に始めました。種の“seeds“と大好きなサーフィンから海の“sea“を掛けて、趣味や遊びはもちろん、楽しく仕事ができるようにと社名を付けました」。
そんな鶴さんが農業を始めるきっかけとなったのが、東日本の震災だったそうです。「当時、僕も気仙沼にボランティアに行ったんです。そこで地元の大工さんたちが自分たちで井戸を掘って公衆浴場を作っていて、僕も運営のお手伝いをさせてもらいました。その時、自分たちで何でもできてしまう地方の人の生命力の強さを感じて。都会育ちの自分は、もしもの時に何もできないなと思いました。何か起きた時に食料だけでも調達できる知識と能力があればと思って農業をしようと決めました。今では、何が起こっても困らない自信がありますね」と話します。
「移住して、ほぼ1人でいちから農業を始めました。今では農家さんやそれ以外の業種の方、たくさんの方に助けてもらいながら、まさに京丹後に生かされてます。農業は1人では絶対にできない。2人、3人と仲間が増えれば、掛け算方式で、できることが増えていくんです。これからも地元の方はもちろん、これから京丹後に来て何かにチャレンジする若い世代、いろんな人と関わって仕事ができればいいなと思います」と語ってくれました。
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