さまざまな分野における男女共同参画を推進するため、性別にとらわれず個性を発揮し、活躍している市民を紹介します。
■株式会社ヘッズ デフサッカー男子日本代表 堀井聡太さん(24)
〔障がいに負けず夢を諦めない〕
趣味のバイクやカメラは、仕事やサッカーの練習でも生かせていると話す堀井さん。平日は仕事終わりにサッカーで汗を流すのが日課です
◇デフサッカーのことを教えてください
デフサッカーとは、聴覚障がい者で行うサッカーであり、競技中は補聴器を外すことが義務付けられていることから、「音のないサッカー」とも呼ばれています。私は生まれた時から聴覚に障がいがあり、補聴器を着けても半分くらいしか聞こえないので、唇の動きで言葉を読み取る読唇(どくしん)術を身に付けています。
◇サッカーをするようになったきっかけは
6歳ごろにテレビでサッカーを見て興味を持ったのですが、障がいが原因で仲間外れにされたことがあり、一般の方と一緒にサッカーをする勇気がなかなか持てませんでした。しかし、小学校高学年の時に、「障がいがあるからといって、できないことはない」という父からの言葉に勇気をもらい、サッカーをするようになりました。声が聞こえないので、できるだけ周りの人の表情を見ながらプレーしています。
◇サッカーをしていて大変だったことは
高校生の時はサッカー部に所属していましたが、会話を止めて聞き直すことは申し訳ない気持ちがあったので、自分の耳のことをみんなにきちんと伝えていませんでした。また、補聴器を着けていれば問題なく聞こえていると誤解されることが多く、ミーティングでも「なぜ聞こえないのか、真面目に聞こうとしていない」と注意されることがあり、自分の考えが周りにしっかりと伝わらなかったことは大変でした。
◇今後の目標は
デフサッカーは、デフリンピック(※)などの国際大会であっても無観客に近い状態です。後に続く子どもたちのためにも認知度を高め、2025年に開かれる東京デフリンピックでは、観客で埋め尽くされた最高の舞台で、みんなが誇りを持ってプレーできるような環境をつくっていきたいです。
先日行われたデフサッカーワールドカップで準優勝に輝いた堀井さん。現在は日本代表の影響力を生かし、積極的に講演活動も行っています。穏やかに話しながらも、目標に向かって突き進む姿に、信念を感じました。
(※)4年に一度開かれる聴覚障がい者のための国際スポーツ大会
問合せ先:人権啓発推進課
【電話】64-1336
市ホームページではさらに詳しく紹介しています。
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