■Interview 水道職員の声
◆被災者に配慮した言葉づかいを意識
市上下水道部は、能登半島地震で被災した能登町で災害応援給水活動を行いました。
現地に派遣された職員に話を伺いました。
〔上水道課 土木技師補 井川羽央(はお)さん(20)〕
最近買ったバイクで友人とツーリングするのが趣味。先日、メタセコイヤの並木道(滋賀県高島市)まで行ってきました。
◇活動期間・内容は
第1次隊5人の一員として2月2日から8日間、現地住民の皆さんに給水車を使って水を提供しました。
◇心掛けていたことは
被災者の心情に配慮して、「お疲れさまです」「ご苦労さまです」というあいさつは避け、「お気を付けてお帰りください」と言うように職員間で徹底しました。また、水をくんだポリタンクはとても重たいので、疲労がたまっている住民の皆さんに代わって職員が車まで運んでいました。被災者には漁業に従事する外国の方もいて、言葉が伝わらないのでジェスチャーを交えながらコミュニケーションをとっていました。
◇大変だと感じたことは
真冬でとても寒く、あられが降る日もあり、手がかじかんでいました。しかし、現地の皆さんはもっと大変な思いをされているので、疲れを表情に出さないように意識しました。
◇うれしかったことは
本市のことを知っている方がいて、「遠いところから来てくれてありがとう」と感謝の言葉をいただいた時はうれしかったです。
◇この経験の生かし方は
極寒の中での給水活動や現地の皆さんとのコミュニケーションなどの経験は、人生の糧として今後の業務で役立てていきたいです。
・被災地に向けを市長が激励
・能登町内浦浄水場で給水車に注水する様子。同所と給水場所を1日6往復することも
・被災者が持参したタンクに給水(1日当たり約100人)
◆水道施設の状況をスマホからモニタリング
市役所業務の効率化や市民サービスの向上に効果のあった事例などを表彰する「事務改善報告・アイデア提案制度」において、昨年度、最優秀賞に当たる特別優秀賞を受賞した職員に話を伺いました。
〔薪浄水場 電気技師主任 大久保源志郎さん(36)〕
趣味は学生の頃から続けているテニス。週末は友人と練習に打ち込んでいます。
◇取り組んだ事務改善とは
私が勤務する薪浄水場には、市内に約30あるポンプ所・配水池などの水道関連施設を監視するシステムがあります。リアルタイムで配水池水位・塩素濃度などがモニターに映し出されますが、従来は本浄水場に足を運ばないと確認することができませんでした。そこで改善策として、モニター前にオンライン対応のカメラを設置することで、24時間どこにいてもスマートフォンで把握できるようにしました。
◇改善の効果は
異常感知時にはシステムがアラートで知らせてくれますが、「様子見」で済むケースであったとしても、これまでは休日・深夜問わず緊急出動して、モニターを目視で確認していました。カメラを導入してからは、自宅にいながら確認ができるので、出動回数が軽減されました。また、アラートレベルに達していなくても、常時スマートフォンを通じて状況把握できるので、トラブルの未然防止・早期発見に役立っています。いつでもどこでも手軽に確認できる手段があることは、安心感につながっています。
◇日常の業務で印象に残っていることは
昨年、大雨により一部の地域で長期停電が発生し、配水池へ水を送る中継施設の電源が止まりました。断水する恐れがあったので、本浄水場の職員総出で発電機をトラックに積んで現地へ急行し、強い雨が降りしきる中、レインコートを着て作業に当たりました。結果、通電して断水の危機を脱することができました。
今後も職員一丸となって、皆さんの生活に欠かせない安全・安心な水の供給を絶やすことがないように、努力していきます。
・カメラを通じて監視モニターを写すスマートフォンを見せる大久保さん
・3月22日、令和5年度事務改善報告・アイデア提案制度の表彰式で市長から表彰される大久保さん
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