ハロー!CIR(国際交流員)のシャベズ・莉愛(りあ)(26)です。
私の母国アメリカの文化・習慣について毎月連載しています。
『12月、帰省する途中でハワイに滞在し、3度目のホノルルマラソンに出場しました。タイムは約3時間55分で自己ベストには少し届かなかったですが、4時間を切って完走することができました。』
■シリーズ(36)ユニークなフレーズと和製英語
アメリカ英語の中には、歴史や文化を由来とするユニークなフレーズがあり、日本語に直訳しても意味が通じないものがあります。一方で、アメリカ人にも通じると勘違いされている日本由来の和製英語があります。
◆歴史由来のユニークなフレーズ
◇Under the weather「天気の下」
1800年代初めごろ、船乗りたちは船酔いや体調不良を感じると、回復のためにデッキの下に入って身体を休めたことが起源です。現在では、風邪などの体調不良を表現するフレーズとして使われています。
◇Throw in the towel「タオルを投げる」
ボクシングの試合で、味方選手の続行が不可能と判断した時、セコンドが試合放棄を示すためリングにタオルを投げ入れたことが起源です。この行動がフレーズ化し、「諦める」という意味を表すようになりました。
◇Under the radar「レーダーの下」
第2次世界大戦の航空戦において、敵のレーダー機から飛行位置を探知されないように、低位飛行する戦術がありました。同戦術は「flying under the radar」(レーダーをくぐる)と呼ばれ、その後80年代には、目立たないように、注意を引かないように行動するという意味になりました。
◇The whole shebang「その小屋全部」
「shebang(シャバン)」という言葉は、南北戦争時の兵士が「小屋」を意味する言葉として使っていました。その後、著名な作家であるマーク・トウェインが手紙の中でこの言葉を「全て」という意味で使ったことから、全体の状況を表すようになったと考えられています。現在では、「物や出来事の全て」という意味として使われています。
◆アメリカ人に通じない和製英語
◇エヌジー(NG)
このフレーズは英語由来なので、外国人に対して使うことが多いですが、実はアメリカ人には通じません。「Not Good」を略したNGは、日本語では「強い拒否」を意味しますが、英語の「not good」は「よくない」という比較的軽い意味になります。また、NGがNot Goodの略語であることすら分からない外国人も多いです。
◇ファイト(fight)
日本では、スポーツ観戦などで「ファイト」と言う掛け声をよく使いますが、英語の「fight」は、誰かとけんかすることを意味します。殴り合う意味を含むため、アメリカ人には応援の言葉として捉えることに違和感を覚えます。
◇マイペース(My pace)
このフレーズは、私が日本に来るまで聞いたことがない表現でした。英語では「my pace」という言葉は一般的にあまり使われず、意味がはっきりしません。また、「my」は「私の」に直訳されるため、自分のことを話す場合以外に「マイペース」と言うのはアメリカ人にとって不自然です。英語では、「own pace」(自己流)となります。
◇ドンマイ(Don’t mind)
日本人の友だちと一緒にテニスをしている時にこの表現を初めて聞いて、混乱しました。「Don’t mind」という表現は、アメリカでは主語なしで単独では使われることはないので、通じないかもしれません。さらに日本では、「気にしないで」という意味で使いますが、「I don’t mind」は「私にとって大丈夫だ」という意味で、アメリカでは許可を出す場面などで使われます。
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