市と連携協定を結ぶ各大学の教員の研究内容を紹介します。
知の拠点「大学」を身近に感じてください。
■No.6 京都府立大学 公共政策学部福祉社会学科 准教授 村田隆史さん
貧困問題を解決するための社会保障制度の役割を研究
『大学生の時、時事的に貧困や格差拡大が講義で取り上げられることが多かったので、社会保障制度に自然と関心を持ちました。』
◇研究内容を教えてください
研究している社会保障制度は、私たちが生活していく上で、病気・障がい・貧困・失業などのさまざまなリスクに対応するために誕生しましたが、万全な制度ではなく、今なお生活困難者が多いのが現状です。私は、特に貧困問題を解決するために、本制度が果たす役割を分析しています。また本制度は、医療・年金・介護など多岐に渡るため、個別の制度ごとに研究が行われることが多いのですが、私は人の暮らしをトータルで考えて、制度全体の動向を分析し、捉えることを心掛けています。
研究の目的はシンプルで、制度のあり方について考えることです。社会のあり方に大きく関わっているので、選挙など、私たち一人一人の意思決定に基づくと考えています。
◇研究以外に尽力していることは
大学では、国家資格の社会福祉士の養成に携わっています。困っている人に対して、1つの社会保障制度で対応できるケースは少なく、複数の制度を併用することが多いです。抱えている問題は一人一人異なり複合的であるため、個々に合わせて一緒に解決していくことが社会福祉士の役割だと考えています。
◇趣味を教えてください
健康のため、自宅周辺をウオーキングしています。日によって違う道を通り、街の歴史を感じたり、コーヒーショップやパン屋などの新しい店をチェックすることが好きです。その風景を見ながら、研究のことや何気ない日常の疑問などの考えごとをよくしています。
また、学生からはやりのSNSや性格診断について教えてもらったりします。どんなことにも好奇心を持って、心を空にして考えることが、良い息抜きになっているのかもしれません。
◇京田辺市との関わりについて
市国民健康保険事業の運営に関する協議会の委員長を務めており、会議が行われる時は京田辺市を訪れます。住みやすそうな街並みが広がっており、魅力的だと感じています。
本大学をはじめ公立大学の役割は、地域で活用できる研究や教育を行うことだと考えていますので、これからも積極的に各地に出向いていきたいです。
問合せ先:市民参画課
【電話】64-1314
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