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自治体の皆さまへ

教育支援委員会寄稿

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京都府伊根町

■正しい知識を得る方法を学ぶには
伊根診療所 石野秀岳

「自分は勉強が出来ないのかも」「うちの子は勉強が苦手で」生徒や保護者の方でそう思っている人はいませんか?
学生の間は、テストの点数が良い=勉強が出来る と誰しもが思いがちです。社会人になるとテストの点数よりも、正しい知識の使い方が大事になります。使い方は働いているうちに覚えていきます。
人生を生きていく上では、勉強が出来ることよりも大事な事があります。それは正しい知識を得ることです。ではどうすれば正しい知識が得られるのでしょうか?
お医者さんの世界で“巨人の肩の上に立つ”という表現を使うことがあります。これは万有引力の法則を発見した、アイザック・ニュートンが語ったことで有名になった格言です。知識が積み上がった上に新しい発見がある、これまでの研究の積み重ねを知ると視野が広がるという意味になります。
その分野で認められている人たちが提言する内容を知るのが大事なのです。けしてインターネットやユーチューバーがもっともらしく話す事を鵜呑みにする事ではありません。
自分の直感や実際見ている事が「本当の真実」だと、ヒトは思いがちです。「地球ではなくて太陽が動いている」「クスリを飲んだせいで体調が悪くなった」「新しいワクチンは怖い」などなど。
本当でしょうか?
薬の副作用は確かに存在します。お医者さんも副作用に注意して診察しています。その「クスリを飲んだから体調が悪くなった」は、薬の副作用の場合もありますが、ひょっとしたら薬が効かないほど体調が悪かった場合もあるし、たまたま他の原因で体調が悪くなったのかもしれません。そこで何でもかんでもクスリの副作用にしてしまうと、適切な治療が出来ないため、永遠に体調の悪さと付き合うことになります。
新しいコロナのレプリコンワクチンは、2024年時点ではこれまでのワクチンに比べてウイルスへの抗体が長期間続くと言われています。今の時点では大変良いワクチンで来年度は私自身に打ちたいと思うくらいです。
マスクの必要がない時に外すことも大事です。しかしそれ以上に大事なのは、コロナやインフルが流行している時はみんなでマスクをして流行を抑える事です。
新しいワクチンやマスクの重要性についてはお医者さんの中では当然のお話なのですが、テレビや近所の人からの噂話だけで判断してしまうと「クスリを飲んだから体調が悪くなった」「新しいワクチンは怖い」「マスクは効果がない」と思いがちです。
ではどうすれば良いのでしょう?答えはこの文章の前半に既に書いてあります。
そうです、“巨人の肩の上に立”てば良いのです。具体的にはその分野で実力を認められている人に聞くことで、巨人の上に立ったような広くそして適切な視野を得られます。
漁業なら魚をよく釣る人に。農業なら収穫をあげている人に聞きますよね。科学の分野では、過去の論文や学会の推奨を勉強します。自分の周りで専門に働いている人と普段から仲良くなっておいて、質問を聞けるような関係を築きましょう。医療のことなら是非伊根診療所に聞きに来てください。小中学生の皆さんは年2回の診療所出張授業の時になんでも聞いてくださいね。いつでもお待ちしています。

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