一人ひとりが自分らしく暮らすためには、互いを尊重し、それぞれの個性を活かせるような環境が必要です。今号では、障害のある人が自身の個性を表現できる取り組みや、障害への理解を深めるための取り組みを紹介します。
■障害の有無に関わらずアートで個性を発揮できる環境づくり
一人ひとりの感性を大切にするアートは、障害の有無に関わらず、思う存分「自分らしさ」を発揮することが出来ます。今回、障害を持つアーティストとサポートされている方々にお話を伺いました。
◆古生物大好きアーティスト
・尾上 瑞紀(おのうえ みずき)さん
▽幼少期から古生物マニアに
4歳頃から、父親が持っていた図鑑を見て古生物に興味を持つようになり、生物の名前や掲載ページまで覚えてしまうほど読んでいました。次第に絵を描くようになり、学校のプリントの裏面を埋め尽くすほど描いていたこともありました。小学2年生頃からタブレットを活用し、公園や川など自然観察に行くたびに気になった生物を描くなど、独学で絵のスキルを磨いてきました。
▽インスタグラムで広がる世界
姉が「瑞紀の絵は面白いからインスタグラムにアップするべきだ」と母にアドバイスしたことをきっかけに、インスタグラムに絵を掲載するようになりました。そのおかげで、全国にアート仲間ができて交流したり、メディアにも注目されたりと、アートに関する世界が広がっています。
自閉スペクトラム症と診断された頃は心配もありましたが、アートに没頭する瑞紀と一緒にいると自分が知らなかった世界を知ることができ、とても楽しいです。(母 夕香里(ゆかり)さん)
◆陶芸アーティスト
・林 晃彦(はやし あきひこ)さん
▽陶芸で想いを表現
福祉施設「志津川福祉の園」で、陶芸作業をしています。今回、「森のオーケストラ」をイメージして動物の置物を製作し、京都障害者芸術祭実行委員会主催の「京都とっておきの芸術祭」に出展しました。私が作った作品を見て、少しでも癒され、笑顔になってもらうきっかけになると嬉しいです。
経験を広げたり、表現の場を創出するために芸術活動を行っています。施設利用者の前向きな気持ちを後押し、好きな作品を作れるように作業を組み立て、作品ができた時は喜びを一緒に分かち合っています。(支援スタッフ)
◆色鉛筆アーティスト
・ペンネーム 菖蒲(あやめ)さん
▽言葉ではなく絵で表現
言葉で表現することが苦手なので、頭に思い浮かぶイメージや目で見て良いなと思ったものを色鉛筆のみで描いています。趣味で描いていた絵を多くの人が見てくださって、素敵な絵だと言っていただけることが嬉しいです。
就労移行支援事業所「さぴゅいえ」では、〇(マル)ではなく凹凸を活かせる就労支援を目指しており、菖蒲さんの絵の力に着目し、様々な方に見てもらえる環境作りをお手伝いしています。作品を通して自己肯定感の高まりから表情が柔らかくなり、得意がもたらす影響の大きさを感じています。(支援スタッフ)
◇障害のある人の作品や表現に出会える場 art space co-jin(コージン)
ギャラリーだけでなく、イベント、ワークショップ、なども開催します。
※詳しくは本紙またはPDF版をご覧ください。
■アートと交流の拠点がオープンします
障害のある人の作品を発表する機会を設け、創作活動を通じた社会参加を促進するとともに、魅力発信や新たな価値の創出に取り組んでいます。
場所:市役所2階エスカレーター前
◆祝 オープン記念
◇尾上瑞紀展ー地球は人間だけが主役じゃないー開催
古代生物、深海生物、磯生物、微生物、昆虫・爬虫類・両生類などがキャンバスいっぱいに躍動します。生命の讃歌のような作品の数々をぜひご覧ください。
日時:
・(前期)1月24日(金)まで…古生物への憧れ
・(中期)1月27日(月)~3月28日(金)…山・川・海に遊ぶ
・(後期)3月31日(月)~5月16日(金)…広がる世界。
いずれも午前8時半~午後5時15分
※市役所開庁日
自分の作品で会場が溢れるように頑張ります!見に来てください!
◆関連企画ワークショップ「紙粘土でウミウシをつくろう!」
本展鑑賞後、尾上瑞紀さんと仲間たちのレクチャーのもと、紙粘土に着色しウミウシを作ります。できあがった作品の一部は、ワークショップ終了後、展示に加わります。
日時:2月8日(土)午後1時半~3時(受け付けは午後1時~)
場所:市役所1階市民交流ロビー
対象:小学生(保護者要同伴)
定員:抽選で親子10組20人
申込み:氏名(ふりがな)・学年・住所・電話番号・保護者氏名(ふりがな)を、12月1日(日)~23日(月)に、ファクス・Eメールか障害福祉課窓口(【FAX】22・7117【E-mail】shougaifukushi@city.uji.kyoto.jp)へ。当選者のみ結果を1月10日(金)頃に通知します。
本展を鑑賞し、アンケートに回答していただいた人の中から、抽選で100人に、尾上瑞紀画オリジナルコースターをプレゼントします。
問合せ:障害福祉課
【電話】21・0419
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