今年9月7日(土)に大阪府堺市にて行われた第71回全国茶審査技術競技大会で優秀な成績を収め、最高位である「十段位」に昇段した谷口悟司さんに当時の心境や今後のビジョンを伺いました。
[Q]「茶師十段」を認定された今のお気持ちは?
正直実感はありません。
自分の中で、茶師十段は何とかやり遂げたい仕事の内の1つというイメージでした。しっかり励まないと難しいものでしたので、自分のやるべきことをやればたどり着く可能性も高いと思っていました。
[Q]お茶屋さんを継ごうと決意したきっかけは?
元は美術畑にいて、特殊な就職先を目指していましたが、上手くいかず美術系の大学院に入学しました。
そこで先生から「大学の先生になって指導がしたいなら、博士号を取るか、全国展覧会で5つ賞を取りなさい」と言われて、それから全国展覧会で賞を1個、他にも入賞なども重ね、改めて先生に仕事を貰えるようお願いすると「あかん」と、その時に実家に帰ってお茶屋を継ごうと思いました。
[Q]これまでの経験の中で印象に残っていることは?
私が小さい頃、実家のお茶を触る作業場では、加工するお茶の香りや長年培われた作業場の匂いがしました。
それで、お茶屋を継ごうと帰ってきて、その匂いをもう一度嗅いだ時、イメージで言うと、薄い白いカーテンにふーっと入っていくような「あ俺、帰ってきたわ」と思ったんです。今思うと、自分がすごくフィットする仕事に迎えられた瞬間だったかなと。今でも忘れない体験ですね。
[Q]今後のビジョンは?
先代から受け継いだ「茶一心」の理念を私なりに考えて、茶師として関わる人たちから得るお茶に関するもの。これが私の財産なので、それをお客様が喜ぶような形で提案できれば嬉しいです。
また理念とは別に、「お茶大好き」を全国に広めていきたい。宇治田原の茶業者が力を合わせ、お茶の可能性を引き出していけたら。
最後に、十段を取った瞬間に本当に「ありがとう」って思ったんです。茶に密接な恵まれた環境で関わっている人たちに対して、「ありがとう」の気持ちを持って活動しています。
問合せ:産業観光課
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