■荒木の観音講
幕末・明治期に廃寺となった荒木の山瀧寺跡地に残された小堂に本尊であった十一面観音像が安置されており、地元の12名により「観音講」として毎月掃除と読経、食膳のお供えを行い、大切に管理されている。
観音像は十四世紀鎌倉時代後半から南北朝時代に懸け仏とともに作られており、町指定文化財となっている。
令和3年、府文化財保護課の実査では観音堂内陣の扉向かって右に地蔵菩薩、左に毘沙門天の彩色絵が確認された(時代不明)。
この三尊像の並び、懸け仏、またその横の月舟和尚の書による「普門閣」の偏額、これらは京都の清水寺にも同じものが見られ、清水寺と山瀧寺とは何らかの関わりがあったものかと思われる。観音菩薩は三十三の化身となり、衆生の願いを聞いてくれる。今も連綿と続く荒木の観音講。受け継がれることを願ってやまない。
文化財保護委員蘆原昌重(荒木)
問合せ:文化財保護委員会事務局(社会教育課)
【電話】88-6613
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