文字サイズ
自治体の皆さまへ

相楽医師会から市民の皆さんへ シリーズ健康エッセイ vol.125

11/52

京都府木津川市

◆機能性消化管障害について
松尾クリニック 松尾 尚樹 医師
昔からストレスが原因で消化管に不調をきたす事は知られています。ストレスとは、外刺激により体内に生ずる反応とされています。緊張感により物事が順調に運ぶこともありますが、それが原因で体調不良になることも多いと考えられています。
消化器症状があり、内視鏡検査でも異常がなく、その症状を説明できる、器質的疾患を診断することができない病態を、機能性消化管障害といいます。そのうち大腸、小腸由来の消化器症状(下痢や便秘、腹痛など)を呈するものを過敏性腸症候群とし、胃、十二指腸由来の症状(胃痛や胃もたれなど)を呈するものを機能性ディスペプシアとされています。過敏性腸症候群は、人口の約15%にみられる頻度が高い疾患で、便の性状により便秘型、下痢型や両者の交替型などに分類されます。機能性ディスペプシアは、これまで慢性胃炎という病名で治療されていましたが、近年不快な症状があるものの検査上異常がない場合に診断されるようになりました。食物は食道を通り胃で消化、腸で栄養素が吸収され、残りが排泄されます。消化管がうまく働いているのは、消化管の神経系とそれを調節する自律神経の連携が保たれているからです。偏食や生活習慣の乱れ、ストレスなどでこの連携が崩れると、胃腸に異常がないのに本来のように機能せず、種々の不快な症状が出現すると考えられています。治療の目標は、生活の質が低下しないように症状を和らげることです。胃腸の働きを改善するために規則正しい生活が必要です。栄養バランスの取れた食事を心掛け、刺激物・脂っこいものや酒・タバコを控え、十分な睡眠と定期的な運動が重要です。またストレスを溜め込まないことと、リラックスする時間を作ることも大切です。生活習慣を見直しても症状の改善がない場合には、薬物治療も有効ですが、まず我慢しないで、かかりつけ医に相談しましょう。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU