文字サイズ
自治体の皆さまへ

シリーズ 健康エッセイvol.127

16/52

京都府木津川市

■めまいについて
ごとう耳鼻咽喉科 後藤英一郎医師

めまいは、まれですが危険なめまいと、よくある普通のめまいとに分けられます。
危険なめまいは、めまいの1~3%です。急なふらつきで、意識障害・手足の麻痺・ろれつがまわらない・水を飲むとむせるなどの脳の神経症状や、頭が割れそうに痛いなどの症状を伴います。これらは脳梗塞・脳出血などの脳の障害が疑われます。命に関わりかねないので直ちに救急病院などを受診すべきです。
よくある普通のめまいは、上記のような脳の障害を疑わせる症状のないものです。50~70%は耳が原因です。耳が原因のめまいは、頭の位置や、頭を動かすと刺激となりぐるぐる回るめまいを起こします。耳には三半規管という頭の回転を感じ取るセンサーがあります。また、球形嚢、卵形嚢と言った重力などの垂直方向の加速度や、車の加速・減速などの水平方向の加速度や頭の位置を感じ取るセンサーがあります。これらは平衡バランスを感じ取るためのセンサーです。これらの機能が障害されると、平衡バランスを正しく感じ取れなくなります。これがいわゆる耳が原因のめまいです。
耳が原因のめまいでは、めまい症状や吐き気などの症状はきつくても、命に関わるようなことはまずありません。最も多いのが良性発作性めまい症で、その他メニエール病、突発性難聴などがあります。メニエール病、突発性難聴では急性の難聴を伴い、2週間以内に治療をおこなわないと、後遺症として難聴が残ってしまう事があります。聞こえが変、耳鳴りがする、耳が塞がった感じがするなど、耳の症状のあるめまいの方は急性の難聴が起こっている可能性があります。めまいの症状ばかりに気をとられて放置すると、難聴の後遺症を残す事になりかねません。早急に耳鼻咽喉科で聴力検査などの検査を受け、専門的治療を受ける事が必要です。めまいと言っても症状によって疑われる病気が違ってきますので、医療機関もよく考えて選ぶ事をお勧めします。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU