文字サイズ
自治体の皆さまへ

相楽医師会から市民の皆さんへ シリーズ健康エッセイ vol.122

13/56

京都府木津川市

◆認知症の予防について
山本耳鼻咽喉科形成外科 山本 ゆき子 医師
新型コロナ感染症の後遺症で嗅覚障害が話題になりましたが、においと認知症に関連性があるのはご存知でしょうか。今回は、耳鼻科の範囲で認知症の予防について話します。
脳の奥深くに「海馬(かいば)」という、目や耳から入ってきた情報が一時的に保管される場所があります。海馬が働かなくなると新しいことが覚えられなくなります。アルツハイマー型認知症になると、物忘れより先に嗅覚に異常をきたす事が疫学調査でも分かってきました。部屋にこもったにおいや腐ったもののにおいが分からなくなることが多いようです。
皆さんは「においをかいで何かの記憶が鮮明によみがえった」という経験はありませんか。嗅神経と海馬は非常に関連しており、においをかぐことが海馬に効果的に刺激を与えるということなるのです。
かつて、脳の神経細胞は再生されないと言われてきました。しかし嬉しいことに、嗅神経は他の神経と違って再生能力が高く、よみがえることができます。そのため、アロマによる嗅神経への刺激が認知症発症の予防になるのではといわれ、MCI(軽度認知症)の方に使われています。化学合成されたアロマではなく、本物の植物から抽出されたものは長期に使っても安心です。
認知症予防のため、他にもできることがあります。脳に刺激を与えるため、障害のある方は補聴器で音の刺激を補うことも大切です。また口の中を清潔にし、デンタルフロスを習慣にしている方は認知症が少ないとも言われています。
認知症は早い人では40代からでも始まると言われています。認知症の40%は予防で改善できるとも言われています。早めの取り組みが、予防・改善につながります。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU