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自治体の皆さまへ

相楽医師会から市民の皆さんへ シリーズ健康エッセイ vol.124

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京都府木津川市

◆衣・食・住・合気道という考え
畑田 周作 医師
衣食住とは人間が生活をしていく基礎、生計となっている。これらの環境が整えば、心身が育まれていくのである。着るものがなく、ひもじくて雨風をしのげないといったことは、現代の日本ではほぼ見られなく、身体を成長させることは容易となっている。その恩恵で国民の寿命もずいぶんと延び、人生百年時代も視野に入りつつあるが、健康寿命がそれに追いついていないのが現状である。その一因として身体、精神の正しい使い方を私たちが見落としがちであることがあげられる。これらを正しく導くのが合気道である。自然界から得られるさまざまな生命エネルギー「気」を効率よく吸収して身体を整え、身体の各器官が正常に機能することで、健康な体を維持するのである。呼吸法を用いて酸素を体の隅々に行きわたらせて、姿勢を正すことで丹田、内臓、脊椎を本来あるべき位置に整える。投げ技、固め技で関節の本来動くべき方向を理解して、日々の生活で関節に負担がかかりにくい動きを身につける。気合わせ、合気の精神で心のストレスを最小限にとどめる術を習得する。これらのことは道場ではもちろん、日々の生活においても実行できることである。道場で稽古をしている時だけ合気道を意識するのではなく、服を着るように、食事をするように、生活の中に溶け込んでこその合気道なのである。
合気道を敢えて格闘技のように扱うこともできるが、心身を健康に導く日常の行動と考えれば試合がないのも当然である。このストレス社会を、来るべき超高齢化社会を健常に生き抜く術として、今後も合気道を生活に取り入れていきたいと思うのである。

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