■木造四天王立像岩船寺(加茂町岩船)
四天王は、持国天(じこくてん)が東、増長天(ぞうちょうてん)が南、広目天(こうもくてん)が西、多聞天(たもんてん)が北をそれぞれ守護する仏教の神で、岩船寺でも本堂須弥壇(しゅみだん)四隅に安置されています。前方の持国天・増長天は口を開けた動きのある姿勢に、後方の広目天・多聞天は口を閉じた穏やかな姿勢にし、それぞれ上に上げる腕や踏み出す足などが左右対称にあらわされています。4体いずれも等身大の寄木造(よせぎづくり)で、表面の彩色はほとんど剥落(はくらく)していますが、かつては持国天は緑青(ろくしょう)、増長天は朱(しゅ)、広目天は淡朱(あわしゅ)、多聞天は群青(ぐんじょう)に塗り分けられ、身に着ける甲(よろい)や裳(も)、袴(はかま)には華やかな彩色が施されていました。多聞天像の台座裏に、正応6年(1293年)に英春という僧が願主となり、頼調という仏師が制作したという墨書銘(ぼくしょめい)があります。鎌倉時代後期の基準作となる非常に貴重なものとして、京都府指定文化財となっています。
問合せ:文化財保護課
【電話】75-1232
<この記事についてアンケートにご協力ください。>