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自治体の皆さまへ

シリーズ 健康エッセイvol.129

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京都府木津川市

■糖尿病についてアップデートしましょう
藤木医院 藤木健吾医師

糖尿病は不治の病とか予後が悪いなどのイメージを持っている方はおられませんでしょうか?糖尿病の分野は医療の進歩により、糖尿病があっても糖尿病のない人と死亡時年齢がほとんど変わらないようになってきました。

その大きな要因として、糖尿病の合併症である虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)や脳卒中などの血管障害が減少したことが考えられています。糖尿病の合併症予防のためには低血糖を起こさない範囲でより良い血糖マネジメントが大切です。糖尿病治療薬は21世紀に入り、DPP4阻害薬やGLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、イメグリミン、GIP/GLP-1受容体作動薬が次々と登場し、一部では慢性心不全や慢性腎臓病に対しても有用なエビデンスも出てきました。インスリンに対しても最終手段ではなく、より早期から使用するようになっています。それにより少しでも自分の膵臓から出るインスリンを長持ちさせることにも繋がります。早期にインスリンを用い血糖を良くすることで、糖尿病の初期ではインスリンを離脱することが可能な症例も多くあります。

1型糖尿病を中心にインスリンポンプ治療も増えてきました。機器の進歩も目まぐるしく、血糖モニタリング(SMBG)から持続グルコースモニタリング(CGM)の時代になってきました。CGMは指先に針を突いて測定する必要がない機器もあり、グルコース値の日内変動を把握することができ、低血糖や高血糖の把握が容易で、質の高い血糖マネジメントが可能になりました。

近年、日本糖尿病学会・日本糖尿病協会合同で、糖尿病にまつわる“スティグマ”(負の烙印)を無くしていこうという活動が活発になっています。血糖の上昇は食べ過ぎが原因とは限りません。HbA1cが高いとか肥満があるからといって自己管理ができていないとは限りません。偏見にNo!糖尿病には、皆様1人1人の正しい理解が必要です。糖尿病のある人も生き生きと堂々と日々を送れるように、私も糖尿病に関わる医療従事者として寄り添っていきたいと思います。

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