■絹本著色春日宮曼荼羅十六善神図(けんぽんちゃくしょくかすがみやまんだらじゅうろくぜんしんず)
海住山寺(加茂町例幣)
本図は、海住山寺の中興の祖である貞慶が有していた春日信仰と「大般若経」信仰を一幅に表現した礼拝画です。画面上部に春日五神の本地仏(神は、仏が仮の姿で現れたものという考えによる根本の仏のこと。向かって右から、若宮:文殊、一宮:釈迦、二宮:薬師、三宮:地蔵、四宮:十一面観音)と、春日大社境内からなる春日宮曼荼羅図の主部を描き、下部には春日大社の一の鳥居と五頭の鹿を描いています。画面中央部に『大般若経』の経題である「大般若波羅蜜多経」と書かれた扁額とそれを守護する般若十六善神、常啼菩薩(じょうたいぼさつ)・法涌菩薩(ほうゆうぼさつ)が、春日宮曼荼羅にはめ込むような形で描かれた珍しい図様です。春日宮曼荼羅図の類例と比べても優れた作風の、鎌倉時代後期に遡る古例として京都府指定文化財となっています。
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