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シリーズ「木津川市の文化財を巡る」第67回

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京都府木津川市

■絹本著色愛染明王像(けんぽんちゃくしょくあいぜんみょうおうぞう) 海住山寺(加茂町例幣)
本図は、日輪の光背を負って宝瓶(ほうびょう)上の蓮台に坐し、赤色の体に三目六臂(さんもくろっぴ)(3つの目と6本の腕)という、愛染明王としては通例の姿で描かれています。しかし、画面の構図は珍しいもので、画面上部には向かって右から密教法具である五鈷杵(ごこしょ)、愛染明王の種子(しゅじ)(仏菩薩(ぶつぼさつ)などの仏教諸尊を1文字で表した梵字)、特異な形状の五鈷杵を、それぞれ内部に描いた3つの円相が配置されています。この構図は、平安中期の真言宗の高僧・観賢(かんげん)(854~925年)の伝承を反映したものと考えられ、他に類がない貴重なものです。締まった身体つきで理知的な愛染明王の姿や、金を多く用いる豪華な表現などから、13世紀後半の作とみられています。
外題に「タニコウ 愛染 瓶ハラ 国分寺 ■■■寺」とあり、本来は海住山寺の麓にあった山城国分寺に伝来した品であることが分かります。山城国分寺は中世に一度再興されたと考えられており、往時を偲ぶことのできる貴重な伝世遺品として、京都府暫定登録文化財となっています。

問合せ:文化財保護課
【電話】75-1232

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