■間質性肺炎に気を付けましょう
藤木医院 藤木新治医師
肺は大きく分けて「肺胞」と肺胞の間をしめる「間質」とで出来ています。その間質に炎症が起こることを「間質性肺炎」と言い、原因不明なものと明らかなものとに分類されます。明らかなものには膠原病(関節リウマチ・皮膚筋炎など)・薬剤性・じん肺・ウイルス・放射線・好酸球性などがあります。喫煙に関連することも多く、薬剤では「柴胡」や「黄ごん」を含んだ漢方薬にも注意しましょう。
症状は進行性の呼吸困難や慢性咳嗽ですが、初期には労作時のみ息切れがあり、安静時は無症状で見逃されがちですので気を付けてください。安静時の酸素濃度(SpO2)が正常でも労作時に低下することが多く、6分間歩行の後、測定すると低下していて発見されることもあります。
診断は肺の捻髪音、太鼓ばち指、薬剤の使用、抗菌剤に不応、血中KL-6・LDH・SPーA・SP―Dの上昇、胸部CTで網状影やスリガラス影で確定します。
画像検査では(1)急性経過・浸潤型(2)肺線維症・繊維化が強い型(3)非特異性でスリガラス影が強い型の3パターンに分けられ、治療は副腎皮質ステロイドや抗線維薬や免疫抑制薬が使い分けされます。
いずれにしても早期発見が大切で、年1回は胸部レントゲンなど健診を受けるよう心がけてください。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>