■般若心経(はんにゃしんぎょう) 海住山寺(加茂町例幣)
本品は淡い黄色みを帯びた雁皮紙(がんぴし)(雁皮(ジンチョウゲ科の植物)から作られる和紙)を張り継いだ一巻に、般若心経を十部続けて書写したものです。ほぼ同体裁の般若心経が98巻伝わっており、もとは100巻(千部)からなっていたと考えられ、「千部心経」とも呼ばれています。書写された時期は鎌倉時代前半と推測されていますが、具体的な年代や詳しい経緯はわかりません。海住山寺を中興した貞慶の没後にあとを継いだ覚真が貞永元年(1232年)に記した置文(おきぶみ)(現在および将来にわたって守りおこなうべき規則などを書いた文書)に、師の貞慶が存命中に般若心経千巻を書写して本堂内陣に安置したとあり、本品の一部がそれに当たる可能性も考えられます。金銀の截箔(きりはく)を散らした表紙や見返し、一部に当初の染組紐などの美しい装飾が残っていることも特徴で、京都府暫定登録文化財となっています。
問合せ:文化財保護課
【電話】75-1232
<この記事についてアンケートにご協力ください。>