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シリーズ健康エッセイ vol.133

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京都府木津川市

■こどもの便秘の治療
ふるかわ医院 古川裕医師

便秘が治るとは、薬を使わなくても硬くない便がほぼ毎日出て、排便時に痛みがない状態がずっと続くことです。そうなるには、どうすればいいのでしょうか。

まず、本当に便秘か?便秘ならどのような状態の便秘か?をはっきりさせるために排便日誌をつけ、毎日の排便の状態を記録します。日誌には、便の硬さ、回数、排便時に痛みがあったか、などを記録します。

この日誌をもとに便秘と診断したら、治療に進みます。治療の前に診察です。便秘の原因となる特殊な病気が隠れていないか?診察や血液検査、超音波検査、時にはレントゲン検査をします。

大きな病気がなければ、治療開始です。治療は、3段階に分かれています。まずは、直腸内に溜まっている便をグリセリン浣腸などで取り出します。次に維持療法として緩下剤を数か月から数年間服用します。ポリエチレングリコール(PEG)、酸化マグネシウム(MgO)、ラクチュロースを使います。いずれも安全性に優れています。PEGは腸内の電解質バランスが崩れないように、わざと電解質を添加しています。ですから、しょっぱくて飲みにくいのでリンゴジュースやカルピスなど甘味のある飲み物に混ぜると飲みやすいでしょう。欠点は、2歳以上でないと使えないことです。MgOやラクチュロースは、小腸で吸収されず、大部分が結腸に到達して、そこで水分を結腸内に引き込み便を柔らかくします。この2剤は、長年用いられてきた実績があり安心して使えます。

ところで、「下剤はクセになる」のでしょうか。PEG、MgO、ラクチュロースは直腸内に水分を引き込んで便を柔らかくするので、クセになりません。

最後に排便トレーニングをして、薬なしで快便が出るようになれば治療終了です。

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