■「何でもまずはやってみる!」
盲ろうトライアスリート 中田鈴子(なかたすずこ)さん
日本で唯一の盲ろうトライアスリート。生まれつき耳に障害があり、30歳には患っていた網膜色素変性症が悪化し、急激に視力が低下、盲ろう者となる。
二つのハンデを背負いながらも、健康維持から始めたトライアスロンで数々の大会に出場する。前回話を伺った約3年前から、今もなお新たなチャレンジを続ける中田さんに改めて話を伺った。
▽なぜトライアスロンを始めようと思ったのですか?
こどもの頃からスポーツが好きで、中・高校時には陸上、バレーボールをしていました。体が弱く医師に運動を勧められ、トライアスロンを知り、挑戦したいと思いやってみることにしました。その結果、元気に過ごすことができ今も続けています。
活動を続けるには伴走の方の協力が必要なので、支援者が見つからない時は、活動できず辛いですが、伴走者が見つかり、一緒にゴールを目指して最後までできたときは、とても嬉しく、達成感があります。
▽新たにチャレンジしていることは何ですか?
前回の取材で「挑戦したい」と言っていたロッククライミングにも挑戦でき、京都の大会に出たときは優勝することができました。クライミングでは、手で触ってわかるような数字のシールを貼ったり、ロープで次のホールドがわかるように工夫がしてあります。8メートルを登り切ったときはすごく嬉しかったです。
トライアスロンと違って横にはサポートはないですが、登りたいという気持ちが強く、怖さはないです。これからも続けていきたいです。何事もやる前に諦めるのはもったいないので、まずは何でもやってみることが大事だと思っています。
▽今後の目標や、やってみたいことはありますか?
ご縁があり、石川県のゴーゴーカレーから支援をいただき、昨年は能登で開催された大会に3度、出場しました。地震があった時は、すごく心配でしたが、皆さんが無事でおられ、早く復興されることを願っています。そしてトライアスロンなどの大会が開かれ、また参加できたら嬉しいです。
トライアスロンの他にも挑戦したいことはたくさんあります。それを実行するには、サポートがとても重要になるので、これからもっと支援者が増えて、協力いただける方にも出会えたら嬉しいです。
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