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シリーズ健康エッセイ vol.142

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京都府木津川市

■舌下免疫療法について
やました小児科医院 山下千賀子医師

毎年春になると花粉症に悩まされることはありませんか。
花粉症は国民病とも言われ、特にスギ花粉症の有病率は約38%と高く、3人に1人は花粉症ということになります。最近では小児の患者さんも増加し、低年齢化が進み、2歳頃に発症するこどももみられます。
治療法は、抗アレルギー薬などの内服、点眼、点鼻といった対症療法が中心ですが、近年、舌下免疫療法という新しい治療法が開発されました。これは、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげ、根本的な体質改善が期待できる治療法です。スギ花粉症の場合、スギのエキスを含んだ溶けやすい錠剤を舌の下に1分間置いた後、飲み込むということを毎日おこないます。治療期間は3年から5年が推奨されています。副作用として喉のかゆみや舌下の腫れがみられることがありますが、ほとんどの人は軽微で、治療を無理なく継続することで副作用の症状も軽快していきます。
特に低年齢のこどもは眼の症状が強く、かゆみのため眼を強くこすり、眼に悪影響を及ぼしてしまいます。また、鼻閉や鼻汁がひどく夜もよく眠れず、日中の活動にも支障をきたします。このようなこどもにはお勧めの治療法です。
また、通年性のアレルギー性鼻炎の治療法の1つとして、ダニアレルギーに対する舌下免疫療法があります。1年中鼻汁、鼻閉、くしゃみなどのアレルギー症状の強い方には選択肢の1つです。効果が実感できるまでには時間はかかりますが、症状の軽減が期待されます。
詳しくは、小児科、耳鼻咽喉科、アレルギー科などの医療機関で相談ください。

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