文字サイズ
自治体の皆さまへ

シリーズ 福知山の文化財 収蔵資料紹介(71)

38/41

京都府福知山市

■水内古墳出土「線刻埴輪」
福知山市教育委員会所蔵

昭和35年(1960)、福知山商業高等学校(現在の福知山成美高校)のグラウンドと道路の拡張工事中に1基の古墳が発見されました。水内古墳と呼ばれる古墳で、拡張工事以前にすでに墳丘は破壊されていたため、外形や規模は不明ですが、前方後円墳と推測されています。水内古墳からは円筒埴輪の埴輪列が確認されています。円筒埴輪は直径30センチほどの大きさで、底部が3個体分復元されています。色は淡い黄色を呈しており、焼成はあまり良くありませんが、埴輪の年代から水内古墳は古墳時代中期ごろの古墳と考えられます。
水内古墳から出土した円筒埴輪の1つに、ヘラなどを用いて線刻が描かれているものが見つかりました。線刻部分を拓本にしてみると、弓矢をかまえたヒトが鹿らしき動物を射ようとしている場面であることがわかります。埴輪を焼く前の段階で線刻を施しており、直線と三角形を基本にして描かれているのも特徴です。
円筒埴輪に線刻がなされるのは特段珍しいことではありません。動物や船などのモノのほか、狩りや船漕ぎなどの場面を描いている類例もあり、それらは埴輪の上部に見られることが多いのですが、水内古墳の円筒埴輪のように最下段に狩りの場面が描かれている事例は、実はそれほど多くないのです。
古墳築造に関わった人たちは、何を思って墳丘に並べたてる円筒埴輪に狩りの場面を描いたのでしょうか。答えはわかりませんが、福知山市にとって貴重な資料であることは間違いありません。

問合せ:文化・スポーツ振興課
【電話】24-7065【FAX】23-6537

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU