文字サイズ
自治体の皆さまへ

シリーズ 福知山の文化財 収蔵資料紹介(69)

34/38

京都府福知山市

■「サメの歯 化石」
夜久野町化石・郷土資料館 所蔵

写真の化石(本紙参照)は、福知山市教育委員会に寄贈されたサメの歯です。
岐阜県瑞浪市(みずなみし)山野内に位置する新生代新第三紀中新世(2303万年〜533万年前)の地層から採取されたもので、サメの種類によってそれぞれ大きさや形、色が異なります。
生物が化石として残りやすい部位は、一般的に骨や殻などの硬い部分です。サメは軟骨魚に分類されており、骨や体は柔らかいため腐ってしまいます。歯も例外ではなく、柔らかい軟骨であるにもかかわらず、化石として発見されるのはなぜでしょう。
それは、サメの歯の表層がエナメル質と同じ硬さをもつ組織で覆われており、一般的な生物の骨や殻と同程度の強度を保つことができるからです。そのため、地中で腐敗することなく化石として残りやすくなります。また、長い期間をかけてサメ本来の成分と堆積物が化学反応を起こし、歯冠が影響を受けることにより本来なら白いはずの歯が発見時には写真(本紙参照)のように茶色や黒色に変化していることがあります。
なお、「歯」本来について、人間の場合は乳歯から永久歯に生え変わります。歯根がしっかりと歯を支えていますが、永久歯が抜けてしまうと二度と生えない「二生歯性(にせいしせい)」です。それに対し、サメの歯は歯根がないため抜けやすく、常に新しい歯が待機しており、何度でも生え変わる「多生歯性(たせいしせい)」です。人間と違い次々と量産されるサメの歯は、比較的発見されやすい化石のひとつです。
夜久野町化石・郷土資料館には今回紹介した化石以外にも現生のサメの歯の見本や様々な化石を展示しています。ぜひご覧ください。

問合せ:文化・スポーツ振興課
【電話】24-7065【FAX】23-6537

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU