■NPO法人丹波漆 選定保存技術の保存団体認定へ
7月19日(金)、国の文化審議会は、夜久野町で活動する特定非営利活動法人丹波漆(NPO法人丹波漆)を国の選定保存技術「日本産漆生産・精製」の保存団体に追加認定することを文部科学大臣に答申しました。
選定保存技術とは文化財を後世に伝えていくために必要な修理技術や用いられる材料、道具の製作技術などを言います。そして、その技術を保持する個人や団体を保持者または保存団体として国が認定し、技術の保存を図っています。
そのひとつが昭和51年に選定を受けた「日本産漆生産・精製」です。日本産漆は漆芸等の製作や文化財の修理には欠かせない原材料です。漆生産はウルシの植栽や保育・管理、漆液の採取等の技術、漆精製は用途に適した漆を製造する技術のことです。すでに2団体が保存団体として認定を受けており、NPO法人丹波漆はこの2団体に加え、新たに選定保存技術「日本産漆の生産・精製」の保存団体として認定されることになりました。この選定保存技術における保存団体への認定は西日本で初めてのことです。
NPO法人丹波漆は昭和23年に漆掻き職人の衣川光治(きぬがわみつじ)氏が設立した丹波漆生産組合が母体となり、植栽等に関する諸技術の保存や漆掻き職人の育成、漆文化とその価値の発信を通して丹波漆の保存に寄与することを目的に、地域に密着した取り組みを積極的に行ってきました。
これらの活動は、夜久野の漆を後世に繋いでゆくために尽力してきた先人たちの想いを引き継いできたものです。
その想いの継承がわが国の文化財の保存・修理に欠かせない「日本産漆」の生産・精製を支える技術として重要であると国に認められ、このたびの保存団体への認定につながりました。
将来、夜久野の漆が広く文化財修理に使われる日が来るかもしれません。
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