文字サイズ
自治体の皆さまへ

シリーズ 福知山の文化財 収蔵資料紹介(85)

39/42

京都府福知山市

■「水筒」
福知山市教育委員会 所蔵
水は、人が生きる上でかかせないものです。人々は、水を携帯するための容器として、昔から自然にあるものを工夫し利用して水筒を作り出してきました。例えば、中国などの遊牧民族は動物の皮革を使い、水筒を作っていました。日本では、写真(1)(本紙参照)のような竹筒やひょうたんが用いられていたそうです。
明治30年(1897)頃には、アルミ製の水筒が登場します。軽くて丈夫なアルミ製の水筒は、当時軍事工場で生産され、軍隊の行軍における必需品でした。戦時下において水筒は、まさに命を支える道具として携行されました。写真(2)(本紙参照)の水筒は、アルミそのものの表面を酸化させたアルマイト製です。蓋の部分に注目すると、方位磁石が付いていることがわかります。また、革の紐が付いており、肩から斜めにかけられる仕様です。
昭和30年代以降になると、水筒は大きく変化し、行楽や遠足など楽しみと結びつく道具になります。例えば、二重構造で保温・保冷効果のあるガラス製「魔法瓶」や、軽くて持ち運びのしやすいプラスチック製、丈夫なステンレス製の水筒が普及し始めました。昭和40~50年代にはテレビや漫画のキャラクターを描いたものも多数登場し、コップを使わずに飲めるストロー式の水筒も流行しました。
現在はペットボトル飲料が普及し、以前より水筒を持ち歩くことが少なくなったといわれています。しかし、世界情勢を見てみるとSDGsの観点が広がっており、マイボトルとして水筒が見直されてきています。保温・保冷などの機能はもちろんですが、デザインもお洒落なものがたくさんあるので、こだわりを持って水筒を選んでみてはいかがでしょうか。

問合せ:文化・スポーツ振興課
【電話】24-7065【FAX】23-6537

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU