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[善聞語録]173

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京都府綾部市

■不思議な縁
三重県鳥羽市、兵庫県三田市と綾部市、その共通点は…?
答えは〝九鬼つながり〞。ということで両市の市長と先月、この縁を何らかの形にしようと話し合った。本市は足利尊氏生誕の地、また合気道発祥のゆかりで国内の複数の市町と連携しているが、新たな縁が加わることになると期待している。
九鬼氏はもともと鳥羽を本拠にして戦国時代に活躍した水軍の将。嘉隆(よしたか)は織田信長や豊臣秀吉に仕え、瀬戸内海を征する村上水軍と幾度も戦いを交え、天下統一の一翼を担った。その後、秀吉の命で朝鮮に出兵し、天下分け目の関ヶ原合戦では親子が東西に分かれ、徳川家康についた子の守隆(もりたか)が家督を継ぐ。しかしながら守隆の三男と五男が家督を争い、時の将173軍家光の裁定により鳥羽から綾部(三男隆季(たかすえ))と三田(五男久隆(ひさたか))に藩替えを命じられたのが一六三三年。これは九鬼水軍を脅威に感じた幕府の恣意的な裁定とも言われるが、海のない丹波綾部(2万石)と摂津三田(3万石)に移封された2人の思いは如何様(いかよう)であったか…。ちなみに綾部踊りは九鬼の殿様に米俵を運ぶ際の仕草を、また綾部太鼓は水軍の指揮を執る陣太鼓を源とする。
思いのままの閃(ひらめ)きながら、九鬼家からみた戦国時代の名立たる武将や戦(いくさ)を大河ドラマに仕立てるのも妙案かと…。本市が関係したNHK大河ドラマといえば過去に尊氏をモデルにした『太平記』(平成3年)と明智光秀を主人公にした『麒麟(きりん)が来る』(令和2年)があるが、グンゼ創業者・波多野鶴吉と妻はなをモデルにしたNHK朝ドラ誘致とセットにして要望すれば実現へ途(みち)を拓(ひら)くかもしれない。九鬼家の末裔家隆(いえたか)さんは現在、熊野本宮大社(和歌山県田辺市)の宮司を務めておられる。先般、この縁組みの件をお伝えしたところ大層喜ばれ、調印の場には是非(ぜひ)とも立ち会いたいとの言葉もいただき、意を強くした。
山崎善也(綾部市長)

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