市内の第3セクター3社がこのほど、定時株主総会を開催しました。昨期の事業や決算を報告し、今期の事業計画などを決定。3社それぞれ工夫を凝らし、安定経営に取り組みます。
■水夢―あやべ健康プラザ
『空調改善で快適環境へ』
青野町のあやべ健康プラザを運営する水夢(山本雄史社長)は5月24日、定時株主総会を開催。経常利益694万円、純利益550万円で、3期ぶりの黒字を報告しました。
新型コロナによる行動制限や運営規制などで厳しい状況が続いていましたが、500円で施設を4回利用できる「あやべ健康プラザお試しチケット」などの新たな取り組みを実施。また、ジュニアオリンピック(水泳)に2人が出場したことで認知度が高まり、期中の平均会員数は前期比45人増の1401人となりました。
今期も、顧客ニーズの多様化に合わせたサービスで期中の平均会員数1430人を目指します。さらに、快適な利用環境を提供するため空調設備を更新し、引き続き会員の健康サポートを行います。
■緑土―あやべ温泉
『利便性高め集客力を向上』
睦寄町のあやべ温泉などを運営する緑土は5月21日、定時株主総会を開催し、純損失2801万円を報告。また、同日付で仲久保政司氏が代表取締役に就任しました。
昨期は、令和3年度に市が作成した経営改善計画に基づき、9月末をもって宿泊と宴会事業を休止。また、レストランをセルフ方式に変更するなどして人員整理を行い、経営改善に努めました。一方で、燃料や原材料費の高騰の影響を受け、2期連続の赤字決算となりました。
今期は経営陣のうち、これまで4人だった常勤取締役を1人に削減。さらに、キャンプ場内の通路整備により利便性を高め、集客力の強化を図ります。新型コロナの影響が和らぎ、入客数は回復の兆しがあるものの、引き続き厳しい経営環境が予想されます。今後も観光振興と東部地域の活性化に寄与するため、戦略的な経営改善を推し進めます。
■エフエムあやべ―76・3FM
『AIを活用し情報発信』
コミュニティラジオ局「FMいかる」を運営するエフエムあやべ(井関悟社長)。6月14日に定時株主総会を開催し、経常利益181万円、純利益127万円で14期連続の黒字を報告しました。
昨期は、新型コロナの5類への移行などにより、日常生活への回帰が進んだ1年に。ラジオ番組を絡めたイベントやコロナ禍で定着したイベントの配信事業が増加しました。
昨年8月の台風7号災害発生時には、夜を徹して災害情報を提供。また、災害ボランティアセンターに職員を派遣し、2週にわたり災害放送を実施しました。
今期はニュースや天気予報でAIアナウンサーの導入検討や外部人材の活用によるスキルアップの取り組みを実施。災害や地域密着型の放送に加え、映像制作やイベント企画など、地域に必要とされる事業を展開します。
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