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自治体の皆さまへ

持続可能な医療提供体制の確保に向けて

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京都府舞鶴市

自分や家族が病気になったとき、安心して受けられる医療提供体制があることは誰しもの願いです。
私たちの周囲に目を向けると、医師や看護師をはじめ、さまざまな医療従事者が、限られた人員の中で24時間365日、地域の医療を支えていただいています。
市では、この医療提供体制を将来にわたり持続可能なものにしていくため、さまざまな取り組みを進めています。

■市内公的病院長や医師会長との意見交換
将来も安心して受けられる医療提供体制の確保に向け、市長と市内公的病院長、医師会長が一堂に会し、医療現場で直面している課題などについて意見交換をする「持続可能な地域医療を考える会」を立ち上げました。救急医療や看護人材の確保など、さまざまな事柄について議論をしています。
会議では、個別の事情に関しても率直な意見交換を行うため、非公開で開催していますが、どのような議論が交わされたのかについては、今後、市民の皆さんにもお知らせする予定です。

■医療職に興味津々 中高生が公的病院での体験に夢中
また、医療職に対する理解を深める活動にも力を入れています。8月6日、舞鶴共済病院にご協力いただき、中高生医療体験イベント「ミッション・イン・ホスピタル5」を開催。医療職に関心のある中学・高校生90人が参加し、普段入ることのできない手術室や検査室で、手術支援ロボットや医療器具に触れながら、医療職への理解を深めました。参加者アンケートでは、非常に多くの学生がイベント内容に満足し、将来医療従事者の道を目指したいという意見もいただきました。

■未来の医師・看護師が舞鶴に~市長の思いを学生へ~
8月下旬には京都府立医科大学の学生が地域医療を学ぶため、舞鶴市内で実習を行いました。その一環として、市長と学生22人との懇談会を開催し、市長から市の紹介と取り組んでいるまちづくりについて説明。学生からは、これから医師や看護師として働くにあたり、何を重視するか、舞鶴の地域医療の確保にはどのようなことが大切かについてなど、若者視点の考えを示してもらい、市長からは、将来、舞鶴の地域医療を支える医師や看護師になってほしいとの期待のメッセージを送りました。

■人口関節置換手術支援ロボットを導入し、医療の質を向上
地域医療向上への取り組みとして、医療設備の強化も進んでいます。
舞鶴赤十字病院には整形外科分野とそれに続くリハビリ分野で、本市の中核的医療機関としての役割を担っていただいています。今年の6月には、同病院にロボティックアームで人工股関節・膝関節手術を支援する「Mako(メイコー)」システムが府内で初めて導入されました。
高齢化が進み、整形外科分野に求められる役割がますます増加する中、医師の負担を軽減しつつ、技術精度を高める人口関節置換手術支援ロボットの導入は、当該分野では不可欠ともいわれています。今回の導入により、高度な医療技術を市内の病院で提供できるようになり、安心して手術を受け、健康な生活を維持できるようになります。また、若手医師の確保や育成にもつながるため、市としても大きな期待を寄せています。
地域医療を取り巻く環境は絶えず変化しています。市では、今後も各病院の取り組みを支援しながら、医療職の魅力を発信するなど、医療従事者の確保に努め、市民の皆さんが安全・安心に暮らしていけるよう取り組んでいきます。

■INTERVIEW「Mako」による地域医療の向上
◇舞鶴赤十字病院 院長 片山 義敬さん
舞鶴赤十字病院では、外来から入院、退院後の訪問看護や訪問リハビリまで一貫した医療提供体制を構築しています。高齢化社会を迎え、健康寿命を伸ばすことを重要な課題として位置付けています。その中で、膝や股関節などの人工関節置換手術は「自分の足で歩ける生活」をより長くする、整形外科の代表的な手術です。この手術をより高い精度で、より安全に行うため、このたびロボットが支援してくれるシステムである「Mako」を導入しました。
ロボットは非常に高額で当院単独での導入は難しかったところ、今回、市の支援を受けてようやく実現することができました。当院の医療提供体制にご理解をいただいた皆さまに、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
今後はロボティックアーム支援システム「Mako」を用いることにより、今までよりもさらに安全・安心な手術・治療が提供できるよう努めるとともに、市民の皆さんが、最後まで自分の足で歩けることを願って、日々治療にあたりたいと思います。

◇舞鶴赤十字病院 整形外科部長 仲川 春彦さん
「Mako」を導入してから、7月末までに5件の手術で使用しました。このシステムでは、最初にCT画像を元に患者の骨情報を解析し、骨をどの程度削って人工股関節を固定していくのかといった手術計画を整形外科で作成していきます。そして、手術時には、Makoのアームが骨を自動的に削り終える予定地点で停止する仕組みになっており、また、骨の角度も正確に算出してアームが動くため、従来よりも安全かつ正確な手術が実現可能となりました。
膝関節手術支援ロボットはすでに府内でも導入されていますが、CT画像と連動した股関節の全置換手術も行えるロボットとしては府内初の導入です。
これまでの研究によれば、ロボティックアームを使用した関節全置換手術は、人口関節の設置精度の向上、術後の脱臼率低減、疼痛軽減などのメリットがあります。
当院は、変形性股関節症や変形性膝関節症の患者さんが手術後も健康的な生活を送ることができるよう、今後もロボティックアームを活用した手術を行っていきます。

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