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ダブルケアでも、あわてない ~今からできること~

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京都府舞鶴市

ダブルケアをご存じですか。子育てと介護の両方を家族で同時期に行うことをダブルケアといいます。高齢者でなくても急に介護が必要になることもあるので「まだ親は若いから」と先延ばしにすることなく「いつかダブルケアになってしまうかもしれない」と考え、今からできることを考えましょう。

■ダブルケアは年々増加
晩婚化や晩産化などにより、子育てをする年齢が年々高くなってきました。そのため親も高齢化し、転倒によるけがなど、ふとしたことがきっかけで介護が必要になり、ダブルケアの当事者になるケースが増えてきています。
内閣府が平成28年に実施した「ダブルケアの実態に関する調査」では、約25万人がダブルケアをしているとの結果が出ています。さらに、ダブルケアを行なっている人の約8割は、働き盛りの30~40代であることも分かっています。

■一人にかかる負担
子育てと介護はどちらか一方だけでも大変ですが、ダブルケアになると、肉体的、精神的な負担はさらに大きくなります。また、時間を確保するために離職や転職を余儀なくされる場合もあります。そうなれば、収入が減少し、家計への影響も出てきます。ダブルケアという状態は以前からみられましたが、最近では、少子化の影響で、きょうだいや親族などに介護負担を分散できない場合もあり、一人にかかる負担が増えています。

■事前に情報収集や相談を
今、ダブルケアをしていなくても、子育て中の人は、突然親や親族などが介護を必要とする状態になれば、急にダブルケアになることもあります。
ダブルケアに直面してから「何から始めたらいいのだろう」「どんな支援が受けられるのだろう」と不安に思うことが出てくるかもしれません。そうならないように事前準備をしておくことが大切です。できるだけ親や親族が元気なうちから介護について話し合っておきましょう。また、配偶者やきょうだいなどと、介護の方向性や費用分担なども前もって話し合っておくことで、突然ダブルケアが始まっても混乱することなくスムーズに対応することができます。
ダブルケアが始まると、支援制度などについて情報を収集する時間の確保も難しくなります。事前に介護保険制度などについて調べ、手続きを確認しておくことも大切です(詳しくは、市ホームページで確認を。下コードからアクセス可)。※二次元コードは本誌またはPDF版をご覧下さい。
すでにダブルケアを行なっている人は、悩みを一人で抱え込まず、誰かに相談しましょう。人と話すことで、新たな気付きを得ることができるかもしれません。市内には、ダブルケアをしている人を支援する団体「まいづるダブルケアの会 えくぼ」があります。この団体では、ダブルケアをしている人たちが集い、意見交換できる「ダブルケアカフェ」を開催しており、子育てや介護のことについて話せる場を設けています。今はダブルケアでない人も気軽に参加し、今後について話してみましょう。

■ダブルケアカフェekubo
日時:2月27日(火)13時30分~15時
場所:まなびあむ
内容:ダブルケアについての悩み事や困り事の相談、情報交換など
詳しくは、市ホームページで確認を。下コードからアクセス可。
※二次元コードは本誌またはPDF版をご覧下さい。

問合せ:高齢者支援課
【電話】66-1018

■多世代家族、ダブルケア経験者に話を伺いました
◇もしもの時に備えて今のうちから考える
夫と子ども3人の5人家族で、同じ敷地内に夫の父と母も生活しています。いつもは下校してくる子ども達を父と母にみてもらっていますが、以前に、母が歯の手術で入院したことがあり、その時は病院に行くため、父に子どもを見てもらっていました。今は元気なので安心して頼めますが、これから先のことを考えると、ダブルケアが他人事ではないと感じています。家族全員が笑顔で楽しく生活している毎日ですが、いざという時「子どもとの接し方を変えずにできるかな」「家族で乗り越えられるかな」など、考え始めています。今のうちから、ダブルケアの経験者の話が聞ける場に参加して、いろんな話を聞きたいですね。
多世代で生活している 嵯峨根 多恵子さん

◇一人で抱えず身近な人に相談を
約20年前の話ですが、当時、認知症だった父が骨折してしまったことをきっかけに、徘徊(はいかい)などの症状がみられるようになり、毎日の介護が必要な状況になりました。その頃は仕事をしながら、小学1年生の娘と年中の息子の2人の子育てをしていたので、急にダブルケアをすることになりました。父は兄と2人暮らしでしたが、兄が仕事の時間帯は私が父の家に行き家事や通院に付き添うなど、役割を分担して何とか乗り切りました。仕事や子育てに加えて、初めてする介護にストレスがたまった時は、知り合いに話を聞いてもらい、心が楽になったものです。子育てと介護も落ち着いた今は民生委員もしているので、地域の人からの相談に乗ることもあります。ゴールが見えない介護を、1人で抱え込むといけないと思います。1人でできることは限られているので、身近な人に話を聞いてもらうことが大切だと思います。
ダブルケア経験者 福原 ルミ子さん

■当事者を支える存在を目指す
「まいづるダブルケアの会 えくぼ」では、ダブルケアに悩んでいる人の不安や悩みを聞かせていただいたり、支援を必要とする人と関係機関をつなげたりするなど、パイプ役になるよう取り組んでいます。私自身もダブルケアの経験があり、誰かに話を聞いてもらうことで救われたことがあったので、そのお手伝いができればと考えています。さらに、この会の活動を通して「ダブルケア」の認知度を高めたいと思っています。そうすることで、社会全体で、ダブルケアの当事者を支える仕組み作りにつながると思っています。
まいづるダブルケアの会 えくぼ 代表 小野 範子さん

担当:高齢者支援課

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